東京の妊婦が8つの病院で受け入れを拒否され、死亡した事故について、おととしも同様の問題が起きた奈良のシンポジウムでも取り上げられ、医師同士の連携の悪さが原因との指摘がなされました。
悲劇は山間部ではなく、首都・東京で起こりました。先月、激しい頭痛を訴えた妊婦が8つの病院に受け入れを断られ、出産後に脳内出血で死亡したのです。
3日に奈良で開かれた医療のシンポジウムでも、この事故について様々な意見が出されました。
「縦の連携及び横の連携が、ちょっとまずいんじゃないかと思います」(金沢大学で働く打出喜義医師)
金沢大学の打出医師は、産科医が別の産科医と個々に連絡をとるのではなく、救急に直接連絡するなどして、医師同士の連携を密にしなければならないと話しました。
シンポジウムには、おととし奈良県大淀町の病院で分娩中に脳内出血を起こし、19の病院に受け入れを断られ死亡した女性の家族も出席しました。
「また、こういうことが起こるということ自体が、何も活かされていないのかなと。あの1分1秒というのは大変だったと思う。待たされた人にとっては、1時間にも2時間にも思えたと思う」(死亡した高崎実香さんの義父・高崎憲治さん)
会場からは医師不足の問題のほかにも、真実を隠そうとする医療界の体質を批判する声も挙がりました。(04日05:41)