音 楽 研 究 会 部 会 記 録 | |||||
日 時 | 平 成 18年 7月 5日 (水) 15:30 〜17:00 | ||||
部会名 | 器 楽 部 会 | 主 任 | 澁田 美穂 | ||
参加数 | 13名 | 司 会 | 澁田 美穂 | 記 録 | 伊藤 裕子 |
研 究 内 容 |
<研究部テーマ> 子どもの意識の流れを生かし、音楽的な高まりを目指した授業の在り方 <部会テーマ> 自分の思いを大切にしながら、楽器の特性を生かして豊かな表現を求める器楽活動の在り方 <研究仮説> 各学年の教材の開発や、個に応じた指導をすることにより、子どもの興味・関心が高まり豊かな表現を求める器楽活動ができる。 ◎講演 小中学校教育課指導主事 高橋 実 先生 「楽しい器楽活動の授業の在り方」 <2年生の授業「こぐまの2月」> <参観の先生による模擬授業> ・2年生の段階で、教科書にある全部のパートを鍵盤ハーモニカで演奏するのは難しい。→主旋律は歌詞で歌う。簡単な旋律を鍵盤ハーモニカで演奏する。 ・パート分けをして演奏する。人数配分は歌(主旋律)を多くする。 ・場合によっては、3,4人のグループで楽しむ。 <高橋先生のアドバイス> ・楽器の配置の仕方について。場の設定が大事。授業の中での合奏は、人に聴かせるためのものではない。児童が自分達で聴いて、自分達で楽しむもの→端から1パート、2パート、、、と並べるのではなく、メロディパートを真ん中に置いてメロディを聴きながら演奏する方法もある。 ・子どもの技能がついてこない時は省略しても構わない。→楽譜を簡単にする時には、それによって音楽が変わってしまわないように注意する。特にバスは要である。 ・フレーズのまとまりを意識して演奏できるようにする。小さい子には言葉で説明するよりも、先生が歌って真似させる。 ・音程感をつけることや、楽譜を読めるようにすることも大切。 <4年生の授業「茶色の小びん」> <参観の先生による模擬授業> ・まずCDを聴き、拍打ちをして拍子を感じとる。楽器決めをする時もCDを何度も流し、自分がどのパートをやりたいか考える。みんなでリコーダー奏をしたり、木琴のパートは空中木琴(空中で両手で木琴を叩く真似をする)をしたりする。打楽器やピアノの紹介をして、楽器を決定する。 <高橋先生のアドバイス> ・常にこの授業のポイントは何かを考えること。「茶色の小びん」という曲をつくることを目的にしているのではない。この1時間で、音楽のどの力をつけるのか考えること。 ・アフタービートを感じ取らせたいとしたら、手拍子のやり方もビートが感じ取れるような方法を考える。言葉で説明しなくても、子どもたちに分かるような方法がよい。 ・曲の感じ(なめらかな感じ、はずむ感じ)を生かして演奏させたい。原曲もどこかで聴かせたい。「教科書とずいぶん違うよね。」と子どもが感じ取れれば十分である。 <6年生の授業「愛のテーマ」> <参観の先生による模擬授業> ・まずCDを聴いて曲の感じをとらえる。先生の伴奏で全員でリコーダー1を演奏をする。(3連符、♯ファなどがポイント)リコーダー2は難しいので、手拍子に合わせてメロディの入り方をつかむ。(2分音符、付点などがポイント)1と2を合わせる。上手くいかない時は先生と合わせて感覚をつかむ。 ・4時間扱いとするが、8回に分けて学習する。(期間を長く取り、子どもたちが十分練習できるようにする。) <高橋先生のアドバイス> ・主題はかなり包括的である。主題の中でもどこに重点を置くのか、ポイントを先生がしっかりともっていることが大切。 ・この曲は、ハーモニーの美しさ、変化和音の美しさを感じ取らせたい。それが子どもたちの財産になる。はやり曲の難しい和音を感じ取ることができたり、音楽を多角的にとらえることができるようになる。 ・フレーズのまとまりを感じ取ったリコーダーの演奏は難しいが、先生が吹いてみて子どもに評価させてみるのもよい。子どもたちは、自分では上手く演奏できないけれど、ちゃんと感じ取っているものである。どうやったらすてきになるか、先生と一緒に考えさせたい。 ・この曲は、メロディの美しさ、繰り返しの切なさなど6年生の感受性をゆさぶる要素がたくさん ある。子どもたちの本能的な心に働きかけたい。 |