県内ニュース名称公募し県民投票 県産米新品種「山形97号」
2008年05月23日 21:22
県産米新品種「山形97号」のブランド化戦略会議と戦略実施本部の合同会議が23日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。名称は公募で絞り込んだ上で県民投票を行いながら、来年1月までに決定することにした。一方、アクションプランの策定では、品質・栽培基準について、農薬などを通常より50％以上減らした「特別栽培米」に限定するとの県提案に対し、生産者や農協団体関係者から異論が相次いだ。会議では、名称選考について広く公募し、県民投票を実施しながら専門家や実施本部などでの意見も踏まえ、決定する方針を確認。公募や県民投票の時期など、具体的な手順については今後検討を重ね早急に決めることにした。県の調べでは、市場に出回っている全国奨励品種226品種のうち、名称選考で県民投票を実施するケースはなかったという。 一方、デビューに向けた具体的な品質・栽培基準などを設定する生産戦略や、販売対象や価格などを含めた販売戦略などを定めるアクションプラン案で県が示した「特別栽培米」限定の品質・栽培基準に対しては賛否両論あった。 「生産基準で特別栽培米とすることで、ほかの米と差別化が図れる」などと前向きな意見もある中で、生産者サイドからは「県内の生産者は97号に多大な期待を寄せている。できるだけ広く、多くの生産者が栽培できる環境をつくることが必要」「最初から特別栽培米に限定せず、高い基準の栽培マニュアルをつくり、生産者に栽培に関する意向調査をすべきだ」など、再考を求める指摘もあった。 県は、実施本部の専門部会などで検討を重ねながら、10月までにアクションプランを策定することにしている。 戦略会議は生産、流通、販売、情報通信などの専門家で組織。デビューまでの戦略として、品質・食味・安全が三位一体となった知名度、価格ともに日本一の米を目指す基本方針をまとめている。戦略実施本部は、この方針に基づき、具体的な戦略を進める組織で、斎藤弘知事を本部長に戦略会議メンバーや生産、流通販売、観光物産などの関係団体の代表らで構成。合同での会議は初めて。
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