オバマ氏暗殺計画「ネオナチ」２人逮捕

　米南部テネシー州で、今月２２日に銃不法所持などの疑いで逮捕された白人の男２人が、米大統領選（１１月４日投開票）の民主党候補・オバマ上院議員（４７）の暗殺を計画していたことが２７日、明らかになった。２人は白人優越主義を唱える「ネオナチ」を自称。アフリカ系米国人８８人を殺害し、１４人の首を切断する大量殺人を計画していた。最終目標として、オバマ氏の暗殺も狙っていたと供述しているという。
２０歳と１８歳男　「白いタキシードと白い帽子を着用し、車でできるだけ素早くオバマ氏に近づき、窓越しに銃で狙う」―。

　白人至上主義者の若者２人による、黒人初の米大統領を目指すオバマ氏への暗殺計画が発覚した。逮捕されたのはダニエル・コワート容疑者（２０）と１８歳の男。２人は１か月前にインターネットで知り合い、白人至上主義を唱えるネオナチ思想などで意気投合。

　改造して殺傷力を強めた散弾銃を所持し、２１日にテネシー州の銃器店への強盗を企てたが逃走。２２日に同州で逮捕された。

　調べに対し２人は、アフリカ系米国人の多い高校などを襲い、「８８人」を殺害し、「１４人」の首を切断するという合計１０２人の大量殺人を計画していたと供述。最終目標が、オバマ氏の暗殺だったという。アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局（ＡＴＦ）は「２人はできるだけ多くの有色人種を殺害できる場所へ行こうとしていた」と話している。

　「８８」と「１４」はいずれも、ネオナチ信奉者にとって特別な意味を持つ数字だ。「８８」は、アルファベットの８番目の文字「Ｈ」「Ｈｅｉｌ　Ｈｉｔｌｅｒ（ハイル、ヒトラー）」の隠語。「１４」は、ネオナチ組織の米国人リーダー（爆破事件や殺人事件で逮捕され服役中）が掲げた１４単語のスローガン「１４ワーズ」が由来となっている。

　２人が逮捕されたテネシー州は、６８年に黒人解放運動の指導者・キング牧師が暗殺された場所でもあった。米連邦捜査当局は、２人について「オバマ氏の予定を詳細に把握していた証拠はない」とみている。

　オバマ氏には暗殺の危険性がささやかれてきた。今年８月には、コロラド州でライフル所持などで男女４人が逮捕され、うち１人が「オバマを見晴らしのよい高い場所からライフルで撃つつもりだった」と供述している。

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