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2008-11-03 18:05:34 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙(4)-事故原因と被ばく影響の究明は永遠のテーマ-

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T先生


私は、前々回の手紙で、運転時のチェルノブイリ4号機とそれ以外のRBMKの炉物理的相違点を吟味してみましたが、どのような原子炉でも、何をしても安全が保証されるわけではなく、チェルノブイリ4号機の場合、規則だけで、制御棒がすべて炉心上端まで引き抜ける機構であったことは、不適切な設計であって、マニュアルで定めたり、オペレータに注意を喚起しただけでなく、工学的に引き抜けないようにロックする安全対策が不可欠であって、そうしていなかったのは、ポジティブスクラム特性と共に、技術欠陥と位置づけられると思います。1991年に刊行されたソ連政府事故再調査報告書「シテインベルグ報告書」には、確かに、AZ-5を押す前には、著しい異状はなかったと記されており、初期の政府事故調査委員会報告書とは、正反対の記載内容になっており、改めて、真の事故原因と破壊のメカニズムを吟味する上で、大変有用な資料です。炉物理特性の検討をしたKarpan(私のセミナーに参加していただいた時にいただいた資料「キエフ・チェルノブイリ旅行(2008.5.23-6.1)メモ」のp.13に彼の写真が掲載されており、確認しましたが、誠実な人のように受け止めました)のロシア語の著書の一部をいただきましたが、これから、じっくり、解読してみようと思っております。私は、圧力管がいつ破損したか等まで詳細に解明しようと思いませんが、誰しもできないでしょうが、印加された反応度から、実際の破壊規模を定量的に説明できるか否かを吟味してみたいと思っております。日本の原子力界は、スリーマイル島2号機の炉心溶融事故やチェルノブイリ4号機の反応度事故は、歴史に刻まれた過去の事故と位置づけておりますが、特に、後者は、過去の出来事ではなく、真の事故原因と詳細な破壊のメカニズムさえ解明されておらず、さらに、被ばくの影響は、現在進行形であって、決して、過去の出来事と位置づけられるほど軽い事故ではありません。先生は、何度も現地を訪れ、事故の真実を解明しようとしておりますが、そのような研究姿勢に心より敬意を表し、そのような研究は、他のいかなる研究論文に優る内容であると位置づけたいと思います。チェルノブイリ4号機の反応度事故については、まだ、真実の半分も解明されていないのでしょう。すべてはこれからです。


桜井淳

2008-11-03 16:58:58 stanford2008の投稿

桜井淳所長が学術セミナーを開催しようとした動機-JCO臨界事故を克服して高い安全解析能力の育成-

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桜井淳所長は、1999年9月30日に、茨城県那珂郡東海村で発生したJCO臨界事故の原因と企業内教育レベルの低さを重く受け止め、また、自身が日本原子力学会に設置した「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会(1998.10-2002.9)の委員人選過程において、大学・研究機関・原子炉メーカー等の日本でも一流どころの研究者・エンジニアだけに声をかけ、JCOのような核燃料サイクル施設を構成する燃料加工工場のエンジニアのような二流どころには、声をかけず、まったく無視していたため、米LANL(Los Alamos National Laboratory)で開発された連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNP(Monte Carlo N-Particle Transport Code)をインストールした高速PCを利用して、厳密な三次元臨界計算が容易に実行できることをすべての関係者に知らしめる機会を作ることを怠ったため、そのような問題を克服し、日本のどの組織にも高い安全解析能力を育成するために、まず、「第1回 モンテカルロ法による核燃料サイクル施設の未臨界安全解析セミナー」を開催し、つぎに、炉物理理論を中心とした「第1回 モンテカルロ基礎理論セミナー」、・・・・と計8種類に及び、何度も繰り返し開催することによって、レクチャーと計算演習の内容を充実させ、これまでに約400名の修了者に達し、参加者は、最初、研究機関・原子炉メーカー・ソフト会社の研究者・エンジニアでしたが、最近の数年間は、大学教員・修士院生・博士院生が半数以上を占めるようになり、桜井淳水戸事務所は、日本で最大のモンテカルロ計算・安全解析の専門家を養成するための研究・教育機関となり、これまでの約8年間に、それらの研究成果をまとめ、日本原子力学会和文論文誌に論文3編が掲載され、さらに、臨界国際会議(ICNC2003)で1回発表(そのプロシーディング論文1編)、それから、来年3月に刊行される『炉物理の研究』(No.61, 2009.3)に1編掲載されることになっており、いまでも、たとえ、事務所の研究予算は少なくとも、哲学とアイディアだけで、1年から2年に1編の割合で、論文を発表し続けており、今後は、国内だけでなく、海外での開催も視野に入れることを計画しています(国内大学、具体的には、東大・京大・阪大との共同研究も進めています)。
2008-11-02 22:49:14 stanford2008の投稿

桜井淳所長が、昔々、研究室で聞いた悲しいお話-原研部長職定年者が「定年後は皆ただの人間」と-

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桜井淳所長は、昔々、原研の臨界安全研究室に勤務していた頃、原研の部長職を経験してすでに退職した人物が訪ねてきたので雑談していたところ、その人物は、昔の職位にあった頃の影響力を失った苛立ちからか、ふと、さびしそうな顔と口調で、「定年過ぎれば、皆、誰でも、何の力もないただの人間になってしまう」とつぶやいたため、桜井所長は、とっさに、なぐさめのつもりでなく、本気で、「皆誰しも最初から何の力も持ち合わせていなかったのであって、失うものも何もなかった」と言うと、その人物は、黙ってうなずいていたそうですが、在職中にどのように高い職位にあろうが、定年後は、年賀状も激減し、組織を訪ねても、誰も挨拶など返さず、知らん振りして通り過ぎ、団地内の人間関係でも、皆、急に、空々しい態度になってしまい、改めて、人間とは、人間の価値とはと、問い返さなければならなくなるそうです(世の中には、退職後も、昔の職場を訪ねて大きな態度をとったり、団地内でもそのような態度をとって、常識を疑われている錯覚人間は、意外に多いもので、桜井所長に拠れば、人間の本当の価値とは、ただ、黙って、私利私欲を捨てて、世の中のために、地域のために、貢献できる能力を持っていることだそうです)。
2008-11-02 16:53:26 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-いくつかのわだかまり・日本人年齢構成・勤労者割合等社会問題を中心に-

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桜井淳所長は、これまでの人生の経験から、特に、原研時代の人間関係から、いくつかのわだかまりや問題意識を持って生きて来ましたが、当たり障りがある内容であるため、これまで、一切、原稿には書かなかったのですが、最近、ごく少数者を対象とした講演会において、思い切って、淡々と語り、すっきりしたそうですが、その内容(講演時間の大部分をその問題に費やしました)をここに記すことはできないものの、いつか、すべてのことを原稿に記すことができる日が来るでしょうから、今回は、講演の時に話した当たり障りのないごく一部のことだけにしますが、日本人の年齢分布は、良くふたこぶラクダと言われ、すなわち、30歳台半ばと50歳台後半に明確なピークがあり、全体的に比較的、平たく分布しており、いくら、高齢化社会といっても、70歳以上は、1割強に過ぎず、60歳台と70歳台以上を合わせても、2割程度であり(社会の少数者)、勤労者の年齢を約20-60歳と仮定すれば、人口の約6割であり、そのうちの女性の半分が勤務していると仮定しても、全人口に占める勤労者の割合は、約5割に過ぎず、社会問題を考察する際、単純に、勤労者の論理だけでは、何も論じたことにならないことがわかり、社会的に、何の力も持ち合わせていない勤労前の年齢層と退職後の年齢層への社会的支援がなければ、社会は、成立しないことが分かります。
2008-11-02 15:08:05 stanford2008の投稿

「第2回弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」開催の反省点-予想以上に年齢と価値観の幅が-

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桜井淳所長は、過去、約10年間、水戸市での各種学術セミナー開催の際、昼休み1時間を利用し、会場近くの偕楽園・千波湖・千波公園・桜山公園の歴史と自然を案内し、そればかりか、東京から新聞社や出版社のひとたち等が自宅に来訪する際には、必ず、それらの公園をいっしょに散歩することにしており、これまで、数十回以上も繰り返し説明し、説明の仕方と情報には事欠かないため、今年春から、単なるサービスとしての案内・散歩だけではなく、「弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」として、独立のセミナーとし、季節の変わり目の自然の美しい季節、すなわち、観梅期・桜期・新緑期・紅葉期の4回開催する予定であり、今年は、まだ、試験的に、新緑期と紅葉期だけにしていますが、サービスで案内・散歩していた際は、年齢と価値観に大きな差異がなかったため、比較的、スムーズにことが運びましたが、今秋の開催では、一般の参加者が多く、小さな子供づれの高齢者もおり、年齢・価値観とも大きな幅があり、時間通り移動できず、説明してもよく理解していただけず、これまでに経験していない難しさを感じており、今後も繰り返すことにより、対応法を改善してゆかなければならないと反省しています(1日に約10km歩きますから、健康維持・安全第一を考えると、小さい子供や高齢者には、きついどころか、無理でしょう(今後、開催案内には、年齢制限を記載します)、先日、途中脱落者が出て、"水戸"スタッフは、想定外の出来事に、対応に苦慮しました)。
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