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育てたブタ食べるべき? 学生ら、「命の教育」議論

2008年11月3日

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写真前田哲監督や映画のモデルの黒田恭史さんに質問が相次いだ=10月23日、東京都小金井市の東京学芸大

 育てた後、自分たちで食べる。そんな約束のもと、小学校でブタを飼った実話をもとにした映画「ブタがいた教室」(11月1日公開)の試写会が10月23日、東京都小金井市の東京学芸大で開かれた。鑑賞後、教員を目指す学生たち約30人と映画の監督、モデルとなった先生が「これは教育?」と議論した。

 映画は、新米教師が担任する6年2組で1年間、「食べる約束」でブタを飼うが、卒業を控え「食べる」「食べない」でクラスを二つに分けた激論が巻き起こるというストーリー。黒田恭史・佛教大准教授が新任教師だった90年当時、大阪府内の小学校で始めた実践が原案になっている。

 試写会には黒田さんと前田哲監督が出席。学生からは「子どもにとって苦しさの方が大きいのではないか」「命の問題は家庭教育の範囲ではないか」といった意見が出た。前田監督は、子どもが近しい人の死に接する機会が少なくなっていることを踏まえ、「柔軟な子どものうちに、悲しい目、つらい目にあわないと成長しない」と話した。黒田さんは「今の家庭は核家族が多いし、家畜を飼っているわけでもない。命の大切さを言葉ではなく体で知る機会をどこかで作る必要がある」と応じた。

 黒田さんの実践は93年にテレビで紹介され、賛否両論を呼んだ。当時の児童のうち2人が現在、教員になっているという。黒田さんは「当時より今の方が、命の教育の必要性は高まっている。どういう方法がいいのか、映画が本気で考えてもらうきっかけになれば」と話す。(葉山梢)

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