ピーター・マービーの空中浮遊トリックとは?
テーマ:その他親愛なる『Flying Beauties』読者の皆様、本日18時55分からTBS系で放送された、
『今夜!華麗なるマジックスペシャル!空飛ぶ貴公子ピーターマービー2』
をご覧になったでしょうか。
ご覧になった方には説明不要ですね。そう、欧州最大のマジシャン・ピーターは今宵、キャンプ場で出会った一般女性を(男性も)その場で空中浮遊させるマジックを披露しました。
有名人ではありませんが、女性の空中浮遊について扱う我が『Flying Beauties』がこれについて触れないわけにはいかないでしょう。
あのマジックのタネはどうなっているの?
というのが多くの人の抱く疑問だと思います。検索エンジンを経てこのブログに来た人はほとんどそのケースじゃないかな。
筆者はこう考えます。
ひとつ言えるのは、おそらくその場にいるすべての人々がサクラであるということです。
その根拠としてまず第一に、人体が本当に重力を無視して宙に浮くということはありえないということ。当然ですがマジックはマジックなのであり、魔法や超能力のたぐいではないのであり、必ずタネがあるのです。人は本当に体ひとつで飛んでいるのではなく、あくまで本当に飛んでいるように見えているだけです。
そして第二に、タネがある以上自分がどうやって飛んでいるか(飛んでいるように見えているか)飛んでる本人にわからないというのはありえないということ。
にもかかわらず彼女は宙に浮いた瞬間、「えっウソ、信じられない!」というような顔をしましたし、地上に降り立ったあとには、
「びっくりして何が起きているかわからなかったです」
と発言していました。
要するに、演技をしているということです。
事前にピーターが雇ったのか、テレビ局が雇ったのか、あるいは本当にその場にいた人にその場で声をかけてその場で演技指導をしたのか、それはわかりません。が、とにかくこれがマジックである以上、彼女が演技をしていることは間違いないのです。
演技者がひとりいたことが間違いないということは、あの場にいた25人全員がたまたまそこに居合わせた通りすがりに過ぎないことを大前提として作られているはずのあのVTRにはウソがあった、ということになります。つまり「作られた映像」だったというわけ。まあ、マジックのVTRというのはえてしてそういうものです。
ひとりをサクラとして演技させ“映像を作る”のなら、25人全員に演技させ映像を作るのも道義的には同じこと。それなら25人の一般人も撮影スタッフも全員タネをバラしても構わぬ存在にしてしまったほうが、はるかにマジックがやりやすくなります。
だってそうでしょう? 彼女が飛ぶためのギアを身につけるところ、そのギアに合った衣装に着替えるところ、飛ぶための注意点や演技の指導を受けるところ、彼女を飛ばすための裏方となるスタッフの働き、大がかりな仕掛け。その場にたまたま居合わせただけの素人女性がたまたま選ばれて宙に舞い上がった……ように見せかける映像を作るための裏方作業のすべてを、その場の全メンバーおよび全スタッフに見せちゃっても構わないのだから、とてもラクです。
そういう裏事情はカメラにさえ映らなければいいのであり、映ったら編集でカットしてうまくつなげばいいわけですから。
考えてみれば、25人もの人間が、
「目を閉じて、自分の体が軽くなることをイメージできない人は目を開けて」
と言われたとき、都合よくたったひとりを除いて全員が目を開けるというのはあまりにも話ができすぎていますしね。
で、彼女がどうやって飛んだのかという点ですが、やはりワイヤーだと思いますね。憶測ですけど。
宙に浮いたときの彼女の足もとのかすかな揺れ具合など見ていると、やはりワイヤーに吊られていることを匂わせます。
近年のマジックで使われる最先端のワイヤーは、いわゆる「見えないワイヤー」「透明なワイヤー」といってもよいようなもので、たった数メートル離れて見ただけで高性能カメラだろうが肉眼だろうがどんなに目を凝らしても見えなくなってしまうようなすごいシロモノ。まして夜ならなおさらです。
もちろん彼女の頭上にはそのワイヤーをささえるクレーンか何かが設置してあるわけで、それだけは映さないようなカメラワークが必要とされます。が、あまり上を撮らなければいいだけのことですから、それほど難しい撮影技術でもありません。
空中浮遊のタネはだいたいそんなものだと思います。繰り返しますが、その場の全員にネタバレしちゃっても構わないマジックにひねったアイデアの仕掛けは必要ありませんから。
たとえばラスベガスなどのショーで、マジシャンが客席から選ばれた観客を舞台上で消してしまったりするマジックがよくあります。
あれだって消された本人がどうやって消された(ように見えた)かわからない、ということはありえず、消された人はそのタネも仕掛けもすべて知ってしまうことになります。そこで海外のマジックシーンでは、タネを知った観客とマジシャンが「この秘密を口外しないこと」を約束させる契約を交わすのが普通です。
同じような契約が、おそらくピーター・マービーとこの25人およびスタッフとの間に取り交わされているものと思われます。
マジシャンにとってトリックは命であり、メシの種。バラされれば巨額の損失が見込まれますから、契約書には当然それに関する賠償のことが記されていることでしょう。もちろん庶民に払える額ではありません。
契約者は口を閉ざすしかなく、たとえばすごく親しい友達から、
「あの仕掛けってホントはどうなってるの?」
と聞かれても、
「ホントにわからないの。ホントにびっくりしたんだから」
と答えざるを得ません。こうして秘密は守られるわけですね。
もちろん筆者がここでバラしているタネも、しょせんただの憶測だと言われてしまうまでのことです(実際に憶測ですし)。
というようにタネが想像できてしまったマジックがつまらなかったのかと問われれば、そんなことはないです。
『Flying Beauties』の筆者とすれば、やっぱり女性が宙に浮く姿には興奮を覚えます。ファンタスティックなマジックだったと思いますよ。また、女性(つーか、隣で飛んだもうひとりの男性)の代わりに自分こそ飛んでみたかった、とも思い、彼女たちが心底うらやましいです。
ピーター、次はぜひ筆者を雇ってくださいよ!
もちろんタネはバラしません。こっそりブログに書いたりもしません。どうぞよろしく(笑)。
■無題
どうやってるの? (ピーターのファン)
2007-06-06 20:33:07
ピーターのマジックすごいね!
車両止め用フェンスを直進するマジック
・・・同行していたアナウンサーのマフラーを使っている。
・・・「偶然立ち寄った」を装った公園でのパフォーマンス。
・・・もしマフラーがなかったらどうする?という疑問。
・・・なぜ、マフラーで隠す必要があるの?という疑問。
これらを考えると、前もってフェンスに仕掛けを作ってるとしか思えないよね。
・・・人体は物体を通り抜けることができないんだから。
すごいぞ!ピーターさん!
どうやってるの?2 (ピーターのファン)
2007-06-06 20:39:26
高い網状のフェンスを直進するマジック
・・・「偶然立ち寄った」を装った公園でのパフォーマンス。
・・・夜(周りが見えない程の暗闇)の中、ちょっとのライトしかついていない環境でのパフォーマンス。
・・・フェンスについている足が、つま先立ちになっていること。
・・・なぜ、夜にしかも天気の悪い(雨)の中でやったのかという疑問。
・・・動作がゆっくりであるという状況。
これらを考えると、前もって用意したワイヤーに吊らされて直進しているとしか思えないよね。
・・・人体は地球上では重力に逆らうことはできないんだから。
すごいぞ!ピーターさん!