今日、職場の同僚と夕飯を食べているときに以前僕が作成したサイトについての経験談を話しました。
そのサイトは3年ほど前に公開していたもので、Diablo II というオンラインゲームのニュースをメインに提供していました。閉鎖後に手違いでアーカイブをすべて抹消してしまったのですが一応 Internet Archive にその残骸が残っています。
今見るとなんか出来の悪さも相まってちょっと自分でも恥ずかしい感じですが。それでもピーク時には日に1〜数万PVを記録することもありました。特に広告収入で儲けようとか、そういう魂胆はなく趣味のサイトでしたが、生意気にもこのサイトに人が集まるであろうことは初期の段階からある程度予想が付いていました。
サイトがヒットすると思った一つの理由として、オンラインゲームの中の Diablo II という狭いテーマに特化したサイトであったことが挙げられます。「ヒットするウェブサイトを作りたいなら、ある特定のテーマに絞って情報を発信するべし」とは良く聞く話ですが、まさにその通りです。ターゲットを絞り込んで、閲覧者が見たい情報だけをサイトに提示する。特に Google などによる情報検索が当たり前となった今ではこれは必須条件ともいえます。
もう一つ大きな理由がありました。Diablo II は海外のゲームなので、当然その情報は海外のニュースサイトやフォーラムから英語で発信されます。前作 Diablo が日本でもヒットしたという事実がある以上、Diablo II には発売前からユーザの注目が集まることは必死。とはいえ、生の情報のほとんどは英語でしか発信されない。そこで、重要な情報を僕個人というフィルタを挟んで翻訳しニュース形式で掲載していくことでサイトのコンテンツとしたという点です。(HTMLをせこせこ書いて更新してましたが、いわばマニュアルのウェブログです。)
加えて、Diablo II はオンラインゲームということもあって、通常のゲームよりも情報収集にはインターネットを活用するユーザが多いだろうという予測もありました。また、Blizzard が Diablo II の発売を何度も何度も延期したおかげでユーザの飢餓感が高まっていたというのもあります。
僕の当初の目論見は的中して、多くの方が僕のサイトを繰り返し見に来てくれるようになり、大手サイトや個人サイトなど様々なサイトからリンクされ、雑誌に紹介されるまでに至りました。
しかし、ここで一つ重要な話があります。テーマを一つに絞って、且つ英語の翻訳という特化したコンテンツの提供に徹していくうちに、更新している自分が楽しくなくなってしまったという点です。趣味で更新しているサイトなのに、これは致命的でした。
ウェブを更新していて思うのは、自分がその時思いついたことやお気に入りのモノなどをつらつらと書き綴っていく呟き的なものがやはり一番楽しいということ。テーマ型サイトの良いところは話題を一つのテーマに絞っているところであって、そこで全く関連性のない話をしてしまっては本末転倒です。ぐっとこらえるか、別のサイトで吐き出すなどする必要があります。
サイトをヒットさせたかったら、テーマを決めてターゲットを絞り、具体的手段を以て特徴的なコンテンツを作成する、この僕的鉄則と、サイト更新の楽しさというのは時として矛盾するものだと思いました。
ウェブログにしても同じで、多くの人に読まれたい人気ウェブログに育てたいなら、自分の得意とする話などにテーマを特化させて、その話題について集中的に掲載していくと良いでしょう。そのうち自然と人が集まると思います。実際、人気のあるウェブログサイトにはそれぞれ何かしらの特徴的なテーマがあるように思います。
MovableTypeなどのウェブログツールにはカテゴリ機能があって、特定のトピック毎にページを生成することができます。しかしながら、トップページを訪れた閲覧者が、ウェブログ毎に異なる基準で作られたカテゴリを選択して情報のスコープを局所化するために有効活用しているかどうかはかなり疑わしい。
手っ取り早くヒットするサイトに仕上げたければテーマを絞った上で、更に特徴的なコンテンツを根気良く継続的に提供する、自分が楽しむために書き続けていきたければリラックスして思うままに書いていく、そんな感じでしょうか。文章力がある人のサイトは、テーマが決まっていなくても面白かったりもするのですが、僕のような凡人には前者の方法を取るのが近道だったように思います。ただ、それは疲れるしあまり面白くないので、今は後者でのんびりやっています。
こんにちは。
僕も同じような経験がありました。
特定のネタについて書いていくページの場合
「ネタにつまる」っていうこともままあるように思います。
自分の興味対象について書く内容が日常的にずっとあって
なおかつそれがその他の人々にも求められている
という幸福な関係があれば、ヒットと楽しさが両立できそうですね。
思ったことをつらつらと書くためにはじめたのに、
いつの間にか書くためのネタ探しをしてることってない?
そうなった時点で楽しくなくなっちゃうんだろうなと思いました。
kengochi さん
ネタにつまる、テーマ型だとほんとに良くあります。サイトを更新している時間もそうですが、ネタ探しにもかなりの時間を要しますしね。学生で自由に使える時間が多かったころこそできた芸当だったかなあとも思っています。
自分の興味対象が他の人にも求められるっていう理想はよく分かります。そういう意味で、自分の興味関心ごとを中心にコミュニケーションを図れる関心空間などのアーキテクチャは良くできているなあと感心します。(not 洒落) あっと、話がずれた。
ooba さん
いつのまにかネタ探しをしてるってこと、よくありますね。今のウェブログでもたまにあります。毎日更新していると、今日も自分のサイトに新着記事があることを期待して閲覧しにきてくれる人がいるんだよなあという気になって、書くことがなくてもネタを探してたり。
ただウェブログに関しては、他のウェブログサイトの話題を起点にしてネタを作るのが容易だったり、それもウェブログの文化の一つだったりうする側面があるので、ネタ探しにはそんなに躍起にならなくて済んだりします。
今は、ウェブログを更新するのが趣味みたいな感じになっているので、楽しんでやっていますよ。
今はテーマを決めて、サイトを作ることが難しくなったと思います。
大抵のネタには先駆がいて、既にもてはやされて陳腐化した後。
数年前なら、まだまだ未踏のアイディアもテーマも多かったのですが、今はそういうネタは探すだけで至難の技となってしまった気がしますね。
結局、受ける為にザウルスをWEBサーバに仕立て上げる手段に走りましたが、これだけしても、既に陳腐化しているみたいです。
がんまさん、こんにちは。
ザウルスでWEBサーバですか。いいですねえ。:)
で、テーマだけでは先駆がいるって話なんですが、確かにそうですね。数年前とは状況も違う、ってのは言われてみるとそうだなと。今後 blog とかがほんとに流行ったらますますそういうのに拍車がかかったりするかもしれませんね。
ただ、僕的に訴えたかった点として"テーマを決める"以外にもう一点あって"テーマを決めてターゲットを絞り、具体的手段を以て特徴的なコンテンツを作成する"の部分です。要は差別化っていう安易な発言なんですけど。
僕の場合は海外のフォーラムの発言をウォッチして載せるみたいな、そんなやり方が受けてたみたいです。それこそ先行してそのままその勢いを保てればそれ自体が差別化になりますし、単に差別化って言っても色々ありますけどね。
[5] Posted by: naoya at August 10, 2003 04:10 AM [返信]