録音した音、生の音

今日は知人のライブを見てきました。
ついでにライブの音源の録音もしたのですが、最近のレコーダーは良く出来ていて昔のものよりも臨場感があって、楽器それぞれの音の質感やタッチまで聞き取れるほどいい音でとれます。(使用したのは以前NK MUSIC ROOMで紹介したTASCAMのDR-1です。)
こういう録音機器はリハーサルを録って聞きなおすのにも非常に効果がありますよね。

ただ、マイクを通して録音した音は生の音とはどうしても臨場感が違うように思います。
技術で生の音に近づけることはできるのですが、マイクで録音してスピーカーやイヤホンで聞いた音には本物の臨場感がほとんどないように思います。

人間の感覚器官は超優秀でマイクで音を拾うのに対して遥かに多くの情報をキャッチしています。
耳のいい人であれば生の音を聞いてどこに何があるか分かるぐらい人間の耳はよくできているのですがマイクを通して録音したものの場合、そういった臨場感は極端に失われてしまいます。

最近はエフェクターの販売でも様々なメーカーがサンプル音源をアップしていますけど、正直僕はそれでエフェクターの本質が伝わるとは思えません。
エフェクターの音は生で感じて、そして耳だけでなく体全体で感じて始めて音といえます。

ただ、優秀なレコーディングエンジニアなどは普通では感じられないような微妙な変化から生の音を感じることもできると思います。経験的にイメージできるでしょうね。
ちなみに最初の話に戻りますけど、リハーサルの音をとっておくと効果があるというのは実際にその場で演奏した本人が録音した音を聞きなおすことでリハーサルのイメージがより厚みのあるものになるので効果が大きいわけです。


日本の音楽シーンはインドア的な風潮が海外に比べて強いため、レコーディングの技術面はレベルが高いように思うのですが、やはり生活に音楽が浸透している海外の音楽シーンのほうがより臨場感のあるレコーディンがされているように思います。

日本は海外に比べても高いレコーディング技術を持っているエンジニアは沢山いると思うのですが、洋楽の音源を好む傾向がある自分には音楽的なレコーディングという意味では海外のほうが優れているような気がします。
よく、国内と海外の両方でレコーディングをして一つの音源を製作したりしていますけど、それはお互いのいいところをあわせていい物を作ろうとしているんでしょうね。

ちなみにパソコンでアップしている音源はマイクで録った音を様々な機器を通してデータ化した上に、さらに圧縮してスピーカーから聞いたものなのでエフェクターの本質を伝えるには程遠いものだと思います。

人間の耳には色々な補正も入るので、よい音源を作りたいなら自分の伝えたいイメージを明確にした上で、どうすればそれが多くの人に伝えられるかを考えるべきでしょうね。



また長ったらしい日記になってしまいました・・・。
ということで第2の耳、DR-1活躍中。



  # by nkrocksound | 2008-11-02 01:16 | Trackback

いい音って

いい音ってどんな音?と聞かれたら人それぞれ色んな音を思い浮かべますよね。
言葉だと太いとかツヤがあるとかそんな感じ。(クリーンやらディストーションやら、色々な音がありますけど、ここでは音の分類はしないでおきますね)
それでいい音を求めて色々なエンジニアが様々な理論を語ったりしてますけど、結局のところいい音って人の耳で聞いたときに心地よく感じる音なんですよね。

例えば抵抗が少なくて音の劣化が少ないから最高の音ですなんていわれても、単純に物理的に劣化を防ぎたければ全てのパーツを高性能なものにしたり、配線材に金を使ったりすれば劣化は最小限にとどめることができるわけです。
でもそれがいい音かといったらそうではなくて、高性能なパーツや金を使った線材はハイが硬くなるのでハイが良く出ていたほうが好みだという人はそういうものを好むし、逆に好まない人もいます。
なので理論的に無駄がないエフェクター=いいエフェクターではなく、耳で聞いていい音だと感じるエフェクター=いいエフェクターです。

それともう一つ、いい音のエフェクターの条件として耳で聞いてて心地いい音色であるほかに、心地いい音の変化をするということが挙げられると思います。
音の変化がギターの音を感じながら変化している、生きた反応をしてくれるエフェクターはいいエフェクターだと思います。
こういう音の微妙な変化は回路図的に同じなら測定機器ではほぼ同じにしか出ないんですが、人間の感覚はちゃんとこの変化を感じることができるのですごく大切なことだったりします。

ちなみにあるプログラマーの話ですが、最高のソフトを作りたけれそのソフトの専門家がソフトを作れるといいものができるそうです。
音楽を知らないエンジニアが作った誰が弾いても同じ音がでるエフェクターよりも、弾き手の表現をきちんと表現してくれる生きた音を出してくれるエフェクターのほうが音楽的なエフェクターなんじゃないかなと。

人間は生き物なので音は点で見るのではなく、点を繋いだ線で感じて始めて魅力的になるんだと思います。

  # by nkrocksound | 2008-11-01 03:08 | Trackback

思ったことは伝えたい

色々悩みましたがNK's Blogを再開させました。

自分が思っていることをブログなんかで公開するといろんな反応があって、それに賛同してくれる人もいれば批判する人もいます。
それってどちらも個人の自由なんですが、僕が何かを思うこともまた自由なんですよね。

NKROCKSOUNDの活動を面白く思わない人に色々と好き勝手いわれることは正直嫌なことです。
まだNKROCKSOUNDは出来て間もない弱小の小さな個人工房ですが、その短い期間だけでも試行錯誤したり悩んだことは色々あるわけで、エフェクターを実際に作るためには様々な問題に直面してきました。
それに何よりもNKROCKSOUNDの音はそれまでに自分が音楽と付き合ってきた経験があって出来ているわけで、そのことを何も知らない人に好き勝手言われるのは面白いことではありません。

でもそういった人たちが僕のことをミュージシャンとして、エンジニアとしてどう思うかもまた自由なので、その辺は割り切って自分は自分なりにやっていこうと思います。

音楽は楽しまなきゃね。

Music is life


  # by nkrocksound | 2008-10-31 15:41 | Trackback

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