金総書記重病説:北朝鮮の新たな指導体制(1/4)
「金正日後」に韓国はどうするべきか
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記(66)の健康悪化が確認されて以降、北朝鮮で起こり得る変動のシナリオの中で、中長期的に可能性が高いのは、金総書記が死去あるいは意識がなくなった状態になっても、北朝鮮の体制が維持されるケース(ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記)だ。「北朝鮮の体制が崩壊すれば、軍部や労働党の幹部など300万人の既得権が失われることになる。彼らや中国当局が北朝鮮の崩壊を黙って見ていることはないだろう」(徐載鎮〈ソ・ジェジン〉統一研究院長)というわけだ。
◆新たな指導体制の類型
専門家らは、金総書記が死去あるいは意識がなくなった場合、北朝鮮の指導体制は(1)3代にわたる世襲、(2)集団指導体制、(3)世襲+集団指導体制のうちのどれかになる可能性が高いという。世宗研究所の鄭成長(チョン・ソンジャン)南北関係研究室長は「金総書記が3代にわたって世襲する意向を表明すれば、誰も反対はできないだろう」と話している。この場合、「(義弟の)張成沢(チャン・ソンテク)労働党行政部長と親しい長男の金正男(キム・ジョンナム)氏(37)が有利だ」(国防研究院の白承周〈ペク・スンジュ〉研究員)という見方がある一方、「朝鮮人民軍総政治局の玄哲海〈ヒョン・チョルヘ〉常務副局長との結び付きが強い次男の金正哲(キム・ジョンチョル)氏(27)に注目すべきだ」(統一研究院)という見解もある。
一方、統一研究院の全賢俊(チョン・ヒョンジュン)研究員は「世襲に対する内外からの非難は北朝鮮にとっても重荷になるだろう」として、世襲ではなく集団指導体制に移行する可能性が高い、との見通しを示した。労働党や軍部のエリート、国防委員会を中心とした集団指導体制に移行する(米海軍分析センターのケン・ゴース海外指導者研究局長)というわけだ。
また、情報機関のある元幹部は「北朝鮮は金日成(キム・イルソン)→金正日→3代目と続く、いわゆる“白頭山の血筋”を完全に無視することはできないだろう」とした上で、「金総書記の息子のうち誰かを表に出した上で、軍部による集団指導体制を敷く「世襲+集団指導体制混合型」が有力だ、との見方を示した。
安勇炫(アン・ヨンヒョン)記者
任敏赫(イム・ミンヒョク)記者
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