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午後3時、突然「全員解雇」 サブプライムで会社破綻(2/2ページ)

2008年11月2日22時13分

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写真説明会に集まった元社員に突然配られた解雇通知=小宮路勝撮影

 社員からは声すら上がらなかった。ようやく誰かが言った。「マジかよ」

 「質問があればファクスで」。あっという間の解雇だった。

     □

 振り返れば7月ごろ、うわさがあった。「米国のサブプライムローン問題の影響で不動産投資事業の資金繰りがつかなくなっているらしい」。同社の両輪の一つである不動産投資部門を縮小するという話もあった。しかし、きちんとした説明はないままだった。

 リプラスは「今年2月以降は恒常的に運転資金が不足する状況だった」と説明する。サブプライム問題の影響で日本から外資ファンドが次々と撤退。家賃保証部門は順調に伸びていたものの、不動産事業の資金繰りは悪化の一途をたどった。倒産時の負債総額は326億円に上っていた。

 約2週間後の10月10日午後5時。事業の譲渡先企業についての説明会に行くと、今度は「本日付で即日解雇」と告げられた。「午後7時までに私物をすべて片づけて出て行くように」と言われた。

 河原さんの9、10月分の給料は今も支払われていない。親から借金をしながら、再就職先を探す毎日だ。

 解雇された従業員のうち約200人は、譲渡先の会社に再就職した。しかし、いまも職のあてのない人は多い。生活のめどが立たず、消費者金融に手を出した人もいる。

 河原さんら50人あまりは連合東京を頼りながら組合を立ち上げた。組合員は100人に膨らんだ。給料支払いなども求めて、交渉中だ。

 「こんなことになるなら転職しなかった。もう、確実だと思える会社なんてないのではないか」。再就職先探しは、いまも続いている。

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