このブログは桜井淳水戸事務所と桜井淳カリフォルニア事務所の(1)業務内容(2)桜井淳個人情報(3)米国での活動内容(4)専門家養成のための学術セミナー開催案内等を掲載するHP代わりの硬いブログです。スタッフが交替で最新情報の更新や新項の追加をしています。 各項を順序よく読むと(a)事務所業務内容紹介(b)桜井所長学歴(c)哲学(d)著書(e)学術セミナー(f)米国での活動内容等、情報の価値が分かります。ここに記載した情報の信頼性は、他のいかなる組織・団体・文献・電子情報よりも、格段に高く、すべての判断基準になります。情報の信頼性については両事務所のスタッフがすべて責任を負います。著作権・情報のオリジナリティを確保するため、本ブログの内容のコピー・事実関係の引用・電子媒体へのリンク等は、すべて禁止します。不正行為を確認した場合には米国感覚で法的手続きを行います。事務所への連絡・メッセージは、各項の欄外のメールマークをクリックすれば、わかるように、アメーバ会員に手続きすれば、誰でも、自由にできます。ただし、送信者の身元は、サイバーエージェントによって管理されています。

1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
2008-11-02 16:53:26 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-いくつかのわだかまり・日本人年齢構成・勤労者割合等社会問題を中心に-

テーマ:ブログ
桜井淳所長は、これまでの人生の経験から、特に、原研時代の人間関係から、いくつかのわだかまりや問題意識を持って生きて来ましたが、当たり障りがある内容であるため、これまで、一切、原稿には書かなかったのですが、最近、ごく少数者を対象とした講演会において、思い切って、淡々と語り、すっきりしたそうですが、その内容(講演時間の大部分をその問題に費やしました)をここに記すことはできないものの、いつか、すべてのことを原稿に記すことができる日が来るでしょうから、今回は、講演の時に話した当たり障りのないごく一部のことだけにしますが、日本人の年齢分布は、良くふたこぶラクダと言われ、すなわち、30歳台半ばと50歳台後半に明確なピークがあり、全体的に比較的、平たく分布しており、いくら、高齢化社会といっても、70歳以上は、1割強に過ぎず、60歳台と70歳台以上を合わせても、2割程度であり(社会の少数者)、勤労者の年齢を約20-60歳と仮定すれば、人口の約6割であり、そのうちの女性の半分が勤務していると仮定しても、全人口に占める勤労者の割合は、約5割に過ぎず、社会問題を考察する際、単純に、勤労者の論理だけでは、何も論じたことにならないことがわかり、社会的に、何の力も持ち合わせていない勤労前の年齢層と退職後の年齢層への社会的支援がなければ、社会は、成立しないことが分かります。
2008-11-02 15:08:05 stanford2008の投稿

「第2回弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」開催の反省点-予想以上に年齢と価値観の幅が-

テーマ:ブログ
桜井淳所長は、過去、約10年間、水戸市での各種学術セミナー開催の際、昼休み1時間を利用し、会場近くの偕楽園・千波湖・千波公園・桜山公園の歴史と自然を案内し、そればかりか、東京から新聞社や出版社のひとたち等が自宅に来訪する際には、必ず、それらの公園をいっしょに散歩することにしており、これまで、数十回以上も繰り返し説明し、説明の仕方と情報には事欠かないため、今年春から、単なるサービスとしての案内・散歩だけではなく、「弘道館・偕楽園公園の歴史・自然探訪セミナー」として、独立のセミナーとし、季節の変わり目の自然の美しい季節、すなわち、観梅期・桜期・新緑期・紅葉期の4回開催する予定であり、今年は、まだ、試験的に、新緑期と紅葉期だけにしていますが、サービスで案内・散歩していた際は、年齢と価値観に大きな差異がなかったため、比較的、スムーズにことが運びましたが、今秋の開催では、一般の参加者が多く、小さな子供づれの高齢者もおり、年齢・価値観とも大きな幅があり、時間通り移動できず、説明してもよく理解していただけず、これまでに経験していない難しさを感じており、今後も繰り返すことにより、対応法を改善してゆかなければならないと反省しています(1日に約10km歩きますから、健康維持・安全第一を考えると、小さい子供や高齢者には、きついどころか、無理でしょう、先日、途中脱落者が出て、"水戸"スタッフは、想定外の出来事に、対応に苦慮しました)。
2008-11-02 13:23:30 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙(3)-事実関係は確実な一次資料で確認したい-

テーマ:ブログ

T先生


先生からいただいた著書のp.58にはチェルノブイリ4号機反応度事故の事故シーケンスが表にまとめられています。私が特に確認したい核心部分のみここに引用しておきます。


1時23分4秒 運転員はもうNo.8タービンへの蒸気弁を閉じ、慣性運転による電源テストが始まった。テスト電源に接続されていた4台の主循環ポンプの流量が若干低下し、炉心での蒸気発生がいくらか増えたが、、その効果は、若干の圧力上昇と自動制御棒の挿入で相殺された。テスト中、炉の出力は安定しており、運転員の操作や警報の作動をうながすような兆候はなかった。

1時23分40秒 運転班長のアキーモフが、制御棒一斉挿入(AZ-5)ボタンを押した。

1時23分43秒 「出力急上昇」警報と「出力大」警報発生。


この内容は、事故当初、当局によって公表されたものと大きく異なっておりますが、当初のものより、より正確な情報と受け止めております。私が所有している私自身の著書や他の研究者の著書もこの内容とは大きく異なりますが、この内容が最新のより信頼できる情報と受け止めております。


私は自然科学の研究者です。もちろん、最近、10年間は、社会科学の研究者として、学会論文誌に原著論文を投稿し、学位論文をまとめてきました。ですから自然科学と社会科学が理解できる数少ない研究者のひとりになります。両科学の研究方法論とも、重要なことは、誰が何を主張したかではなく、"一次資料"がどうなっており、その事実関係を基に、その先の未知の部分がどのように推定できるかにあります。


今後、引用部分の事実関係を"一次資料"、すなわち、原子炉運転日誌そのものか写真に撮ったものかコピー、あるいは、中央制御室に設置されているプラント運転データ記録計のチャートそのものか写真に撮ったものかコピーを確認しなければなりません。公表されているものがあればよいのですが、なければ、入手できるルートを探さなければなりません。先生がそれらの一次資料を所有しているのであれば、ぜひ、コピーをいただきたいと期待しております。世の中に公表されたものがないのであれば、先生のこれまでの人間関係から、入手できる方法を模索していただけないでしょうか。


これから、炉物理的考察を基にして、学会論文誌に原著論文をまとめるのであれば、一次資料による事実関係の確認と、確実な炉物理的現象の把握、さらに、最新の炉物理計算コードでの定量的評価が欠かせません。このようなことは、原子力機構の炉物理研究者のように、そのような立場にあり、なおかつ、研究予算のあるひとたちが担当すべきと思いますが、彼等は、意外といい加減で、無能で、当局の当初の情報が真実だと信じ込んでいる単細胞人間ですから、どうしようもありません。


桜井淳

2008-11-01 23:13:21 stanford2008の投稿

原子力発電所の1ヵ月間の調整運転は定期点検か設備利用率に考慮か-単純でない取り扱いの現実-

テーマ:ブログ
桜井淳所長に拠れば、原子力発電所の定期点検期間は、現在、標準的には、40日間ですが、その40日間の分解修理等が終了すると、その後に、個々の機器の組み立て・点検が適切になされていることを確認するために、1ヵ月間にわたって、低出力での調整運転を実施しますが、その調整運転は、定期点検と位置付けられ、発生電力は、運転期間として、設備利用率に考慮されるという、非常に紛らわしい取り扱いがなされています(過去に、調整運転中に、高さ2mもある大型バルブの駆動軸が損傷したり、大小様々な機器・バルブ等の不調・損傷が発見されています)。
2008-11-01 09:44:02 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙(2)-いただいた宿題への定量的中間報告-

テーマ:ブログ

T先生


まず、非常に基礎的なことから話を始めましょう。


チェルノブイリ4号機の反応度事故は1986年4月26日1時24分(いただいた著書のp.58)に発生しました。制御棒(p.59, 材質は炭化ホウ素)挿入時のポジティブスクラム(pp.14-15)が致命的原因であるとすると、それまで、起動・停止を繰り返してきた他のRBMK(p.60, チェルノブイリ1-3, レニングラード1-4, クルスク1-4, スモレンスク1-2, イグナリーナ1の計14基)とチェルノブイリ4号機の炉物理特性がどのように異なるため、チェルノブイリ4号機だけが反応度事故に陥ったのか説明できなければなりません。


それら計14基では正常な制御棒操作が行われていたと推察されます。すなわち、きびしく定められた"反応度操作余裕"(p.12, これは、西側諸国の原子炉にはない概念であって、旧ソ連のRBMKのように、制御棒挿入速度の極めて遅い原子炉に対しても、安全に炉停止ができるように、211本(p.59)の制御棒のうちの約一割に対し、制御棒下端位置が炉心中心(炉心下端から3.5m)より下に維持されるように定め、残りの制御棒についても、炉心上端位置(炉心下端から7m)以内に維持)の条件を遵守していたと推察されます。そうすると、制御棒の下に吊り下げてあった黒鉛棒下端(直径は制御棒と同じで、制御棒が収まる管の中の熱中性子を吸収する確率(0.66barns)の高い水を排除し、熱中性子の吸収の少ない黒鉛(0.004barns)で置き換えることにより、炉心の中性子経済の向上を図っています)が炉心下端位置より下に位置していたため(p.14)、炉心に影響するようなポジティブスクラムが生じなかったものと推察されます("反応度操作余裕"の他の制御棒の位置も、制御棒下端位置が、炉心上端位置より1.2m(p.14, その部分には、燃料がないため、それ以上引き抜いても無意味)下がっていたため、黒鉛棒の下端位置が炉心下端位置ギリギリか下に位置していました)。よって、定められたとおりの正常な制御棒操作の範囲内ならば、ポジティブスクラムは、生ぜず、反応度事故には陥りません。


チェルノブイリ4号機では、オペレータの誤操作により、さらに、ゼノン吸収に起因して、原子炉熱出力が著しく低下したため、回復措置として、禁止されていた"反応度操作余裕"まで、完全引き抜きに近い位置まで引き抜き(p.14, 他の制御棒も同様)、その結果、黒鉛棒下端位置が炉心下端位置より1.25m高い位置になり(p.14)、燃料の入っている圧力管の燃料の入っていない炉心最下端の0.4mを考慮しても、0.85mの区間で、反応度の増加(いわゆるポジティスクラム)に影響します。よって、黒鉛棒が水を排除したことにより、1本の制御棒当たり、少なくとも1セント(ρ/βeff=1ドルと定義)くらいの反応度を周辺の燃料の入った圧力管に与え、すべての制御棒により、炉心全体に、少なくとも計211セント=2.11ドルとなります。


しかし、それだけでは、まだ、炉心破壊に至るほどの反応度印加ではありませんが、それだけの反応度が印加されたため、その時、まだ、炉心に制御棒がほとんど挿入されていないため(制御棒は、重力落下方式ではなく、モーター駆動の吊り下げ方式であるため、7mの高さを20-40秒かかり、緊急停止ボタンAZ-5を押してから3秒後に「出力急上昇」の警報から推定すれば、3秒間では、制御棒は、最大でも、7m×3/(20-40)=0.5-1mだけしか下がらず(p.14)、AZ-5を押してから3秒間、黒鉛棒下端位置は、炉心下端位置から上に、1.75mから0.05mにあったと解釈できます)、燃料の入った1662本の圧力管(p.59)内で核分裂が促進され、冷却水の沸騰が増したため、ボイドが増え、結果として、熱中性子の吸収の比較的大きな水が炉心から排除され、さらに大きな反応度が印加し、その反応度は、一本の圧力管当たり少なくとも約5セントと仮定すれば、1661本×5セント=8305セント=83ドルとなり、軽水炉では約3ドルの反応度事故で炉心破壊が起こることからすれば、一桁大きな反応度印加であったため、チェルノブイリ4号機の大破壊は、定性的にも、定量的にも、説明できます。


今後は、以上の炉物理的概算から、より正確な定量的評価をするために、連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNP(Monte Carlo N-Particle Transport Code)により、全炉心モデルによる固有値計算を行い、厳密な反応度変化を評価しなければなりません(この計算は、単純ではなく、ふたつの問題があり、ひとつは、計算に利用する中性子断面積をRBMKの運転温度で編集しなければならないこと、もうひとつは、炉心全体の核熱流動現象であるため、熱流動計算のできないMCNPで反応度評価するには、熱流動現象を仮定しなければなりませんが、両者は、完全に分離できず、全体の精度は、熱流動現象の推定精度に依存します)。しかし、この程度の厳密計算は、いまでもできますから、楽勝です。


取り急ぎご報告まで


桜井淳

1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
powered by Ameba by CyberAgent