2008-11-02 うすれゆくバカ
人を怒らせるには
大切に思っているものをけなすこと。
「ハックルベリー・フィンの冒険」という小説に、一度読んだら忘れられない一節がある。物語の後半、囚われの身となった逃亡奴隷のジムを、ハックが助けようと決意する重要なシーンの直後に出てくる有名な一節だ。それを、ここに書き写したい。
黒ん坊の女のうしろから、小さな黒ん坊の女の子が一人と、男の子が二人、粗麻のシャツだけという姿でやってきて、母親の着物にまつわりつきながら、母親のかげから恥ずかしそうに僕のほうを見ている。黒ん坊の子供はいつもこうする。すると、今度は白人の女が家から走り出てきた。四十五歳から五十歳くらいの年格好で、帽子をかぶらず、手に紡ぎ棒を持っていた。そのうしろから、その女の白い子供たちがきて、黒ん坊の子供たちと同じようなことをした。
この一節を初めて読んだ時、ぼくは感動にしばらく涙が止まらなかった。感激にしばらく震えが止まらなかった。この一節は、これまで書かれた世界中のあらゆる小説の中でも最も美しいシーンの一つである。
に対して
さてさて、うすらバカ。そもそもバカってなんやねん。うすらバカ言う方がバカやろと、ツッコミ多数でした。Marnierもツッコミに混ざって遊んでました。その結果がこれ。
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20081102/1225620016
どちらが「うすらバカ」かなんてMarnierは興味ありません。Marnierは天からバカを与えられた、選ばれし直球バカですから。*1
ただ、id:aurelianoが「感動にしばらく涙が止まらなかった。感激にしばらく震えが止まらなかった」とまで書いてしまう渾身のエントリに「うすらバカ」はひどいかな。Marnierだったらキレますよ。Marnierだったらね。
id:tororo-imoはこの件に関しては謝罪すべき。人の感情を逆なでする権利は誰にも許されていない。あなたが正しいかどうかなんて、この件には全然っ関係ない。エチケットの問題。
id:aurelianoは矛を収めるべき。やりかたが、ちと大人気ない。あなたが当該記事で伝えたかった感動は、id:tororo-imoには1ミクロンも伝わっていないが仕方がない。あなたと彼では、生まれ育った環境、出会った人々、感動した出来事、全てが違う。あなたの記事であなたの意図が彼に伝わらず、的外れなコメントが返ってきたら、そりゃ「うすらバカ」って思うでしょうけど*2、言葉が通じるだけで奇跡と思わないと。コミュニケーションってそんなもん。
Marnierは両者と無関係だし、両者のこれまでの確執は知らないし、関連エントリもろくに読んでません。なにより、id:aurelianoの内面とid:tororo-imoの考えなんて全然分かんない。人は、他人の心の中なんて分からない。こんなエントリ書く権利なんて、本当は持ってないのですが。
この問題は、「意見の対立」ではなく「感情のもつれ」に見えたのです。でもって適当に書いただけなのでした。
賢い下僕と愚かな下僕
主人は,賢い下僕に5タラント、愚鈍な下僕に1タラントを与えて旅に出ました。
賢い下僕はそのお金を運用して倍額に増やしましたが、愚鈍な下僕は土の中にしまい込んだままでした。
何故、主人は賢い下僕に全額与えなかったのでしょうか?
聖書の昔においては、資産運用が5、リスクヘッジが1であった。そう解釈しておきます.
もちろん、賢い下僕のほうが高額の手取りをもらったに違いないし、それが聖書の趣旨(能力のあるものに、多くのタラントを)なのですが、本当に賢いのは、下僕ではなく、それを使う主人なのです.
優秀な人がいれば、事業は拡大するに決まってます。
けれども主人は、愚か者の持ち味も活かしたのです。
愚鈍で、それゆえに1タラントを大切に守り抜いた下僕も、やはり世の中には必要なのだ。そう思いませんか?
もっとも,そう思うのMarnierだけみたいで、聖書の中では愚鈍な下僕は叱られるのですが。ムキーッ。なら最初っから預けるなよって思って、上の解釈をでっち上げたのでした。
ちゃんちゃん♪