(cache) 不良債務を特例債に振り替え　公立高畠病院の経営改善に向け

県内ニュース

不良債務を特例債に振り替え　公立高畠病院の経営改善に向け

2008年11月02日　19:45

　高畠町は、公立高畠病院の経営健全化に向けて同病院事業特別会計の2007年度決算で生じた資金不足額（不良債務）約5億1600万円を公立病院特例債に振り替え、不良債務の解消に努める方針を決めた。これと並行して08年度決算の収支均衡も図るため、10月から半年間、町特別職と一般職員の給与を総額約3500万円削減して経営健全化の財源に充てる。

　公立高畠病院は医師不足や診療報酬の引き下げなどで経営が悪化している。08年度決算から、自治体の一般会計に病院や下水道の特別会計を加えた連結実質赤字比率などで財政状況を判断する自治体財政健全化法が適用されるが、公立高畠病院会計の資金不足比率は同法に基づく経営健全化基準の20％を大きく上回る31.4％に達し、現状のままでは国から病院経営の指導を受けることになるという。このため、町は公立病院特例債を活用して資金不足額の解消に努めることにした。

　計画では、07年度末の病院会計の資金不足額約5億1600万円を特例債に借り換え、09年度から15年度までの7年間、各年度約7400万円を償還していく。町一般会計から病院会計への繰出金は、08年度当初は4億2000万円だったが、09－15年度は各年度5億2000万円と1億円増額して償還に対応する予定。

　一方、町は公立高畠病院の08年度決算の資金不足額を約1億円と見込んでおり、この分についても08年度一般会計からの繰出金1億円を増額補正して収支均衡を図ることにした。財源は町有地の売却などで約7000万円を捻出（ねんしゅつ）する見通しが立ったものの、残額を賄うために08年度下期の人件費削減に踏み切った。

　ことし10月から09年3月までの特別職の給与削減率は町長、副町長、教育長が現行よりもそれぞれ2％引き上げ、22％、17％、12％とする。一般職員はこれまで課長・主幹級の管理職のみだった給与削減を全職員約400人に拡大し、2％（主事級）から8％（課長級）のカットを実施する。平均年齢の45歳の行政職主査の場合、削減額は半年で約9万円となる。

　寒河江信町長は「公立高畠病院は地域医療の中核であり、経営改善に向けて町職員が一丸となって取り組む。09－11年度も経営状況に応じて人件費の削減率を再考する」と話している。