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【衝撃事件の核心】「人違い拉致」原因はアロハシャツ、ミスの連発の犯行グループ (3/4ページ)
ここで諦めてもおかしくないが、よほど申し訳ないと思ったのか、男は車中で聞いた男性の会社の名前を思いだした。
「鍵を返しに行く」
男性の会社に、名前を名乗らない不審な電話があったのは犯行から2日後のことだった。男性は早速、警察に連絡。そこに捜査員が待っているとはつゆほども思わず、鍵を手にのこのこと会社に現れた男は、監禁致傷などの疑いで逮捕された。
この逮捕をきっかけにグループが特定され、住居侵入や監禁致傷容疑で、韓国籍で指定暴力団山口組系組員、申昌吉容疑者(34)=川崎市中原区小杉陣屋町=ら男4人が逮捕された。グープは全部で6人とみられ残る1人は逃走中だ。
そもそもなぜ人違いが起きたのか。ことの顛末(てんまつ)は事件の1週間前にさかのぼる。
間違いの始まりは干してあったアロハシャツ
「本来のターゲットの男性は、被害者の男性の隣の部屋に住んでいた。犯行グループは目印となっていたアロハシャツをベランダ側から見て、部屋番号を確認しないまま入ってしまった」(捜査幹部)
申容疑者は1週間ほど前に、逃走中の男と2人で現場のマンションを下見していた。そのとき、ターゲットの男性のベランダに干してあったのが、アロハシャツだったというのだ。
さらに下見の際、ターゲットの部屋では、数人の人物が出入りしていた。
仲間を集めないと失敗する可能性があると思ったのか、犯行当日、申容疑者は一緒に下見をした男のほか、防水工や大工をしている屈強な地元の友達など計5人を集めた。
6人はベランダ側から室内をのぞくと、1階にアロハシャツが干している部屋を確認。本来のターゲットである住人の隣の部屋だったが、たまたまその日に限ってアロハシャツが干してあった−。
これが人違いの始まりとなったというのだ。
「貸した金を返してもらうため、集金を頼んだだけだ」
逮捕後、首謀者とみられる申容疑者は、警視庁の調べにこう言って容疑を否認しているという。