11月2日のながさきニュース
|
長崎新聞
|
|
対馬の韓国人客減少 ウォン安直撃、キャンセル相次ぐ
| 対馬藩主宗家と朝鮮王朝最後の王女の結婚記念碑(中央)前でガイドの説明を聞く韓国人観光客=対馬市厳原町 |
韓国のウォン安の影響で、右肩上がりだった対馬市への韓国人観光客数に陰りが出始めた。九月、十月は前年同月比で15−3ポイント、二カ月連続の減少。十一月も前年割れの見通しだ。キャンセルが相次ぎ、採算割れのツアーも出ているため、韓国の旅行会社は対馬のホテルに値下げを要望。土産の買い控えも見られ、地元経済への影響が懸念されている。
昨年、対馬を訪れた韓国人観光客は約六万五千人。八月までは前年を上回るペースで推移したが、九月に三十カ月ぶりに前年同月を下回った。韓国・釜山と対馬を結ぶ旅客船の十一月の予約は前年に比べ三千人ほど少ないという。
一日は土曜とあって旅客船二便は計約六百三十人とほぼ満席。だが、平日の乗客は減少しており、船を運航する韓国の海運会社は金曜を「週末料金」から「平日料金」に値下げして集客を図っているという。
韓国の旅行会社も相次ぐキャンセルやウォンと円の差額負担に頭を悩ませている。十月下旬に約六百人の修学旅行を企画した業者は「契約時に比べ、円が一・五倍になったので料金を少し上げてもらった。でも採算割れ」と厳しい表情。別業者のガイドは「十、十一月でキャンセルが三件。十一月は昨年に比べ仕事が半減し、三件だけ。生活が苦しく転職も考えたい」と話す。
釜山の旅行会社十社でつくる「韓国対馬観光協会」は十月二十八日、バス運転手のチップ大型三千円・小型二千円を、十一月一日から一律千円に統一すると対馬の各バス事業者にファクスで通知。宿泊施設には10%の値下げも要望した。
韓国人宿泊客が六割を占めるという厳原町のホテルは、満室状態が続いていた週末にキャンセルが出始め、十一台運行するバスも予約が減少。「日本人客だけでは経営が厳しく、客が来ないと困る。多少は下げたい。韓国経済がどうなるか心配」と胸の内を明かした。
|
|
|
|
|
|