大型ワゴン車からミニバイクを“発進”させてひったくりをし、再び載せて逃げ去る--。大阪府南部で、大胆な手口でひったくりをした男女3人が窃盗容疑で大阪府警に逮捕された。3人はミニバイクを隠すことに成功したが、大型ワゴン車の複数の目撃情報からアシが付いたという。捜査員は「かえって目立つのに……。まさに浅知恵」とあきれている。
逮捕されたのは、住所不定、韓国籍の無職の男(26)▽堺市北区、元飲食店従業員の女(23)▽大阪市東成区、作業員の男(25)の3被告=いずれも窃盗罪で起訴。
起訴状などによると、3人は昨年12月~今年1月、同府羽曳野市内で計2回、いずれも女性の乗る自転車の前かごから、現金計約8万円入りのバッグなどをひったくった。
3人は、事前に作業員の男が運転する大型ワゴン車にミニバイクを積み込み“出動”。自転車の女性を見つけると、車を止めてミニバイクを手早く降ろし、無職の男が乗ってひったくりをした。逃走するミニバイクの後をワゴン車で追い、離れた場所でミニバイクを収納して逃げた。
3人は「ミニバイクのすぐ後ろを大型ワゴン車が走れば、ミニバイクが目撃されないと思った」と供述。思惑通り、ミニバイクの逃走経路が分からず、捜査は難航したが、いずれの現場でも大型ワゴン車が目撃されており、逃走経路の防犯カメラに映っていたことが判明。府警は今年4~7月、3人を割り出して逮捕した。
女は助手席に乗っており、3人は「運転手役とカップルに見せかけ、事件と無関係を装った」と話しているという。【遠藤孝康、堀江拓哉】
毎日新聞 2008年11月2日 2時30分