【釜山1日神屋由紀子】日韓海峡圏の協力の在り方を探る「福岡‐釜山フォーラム」の第3回会合が1日、韓国釜山市の国際会議場「ヌリマルAPECハウス」で開催された。「国境を超えた地域連携の課題とビジョン」をテーマに、福岡、釜山両市での日韓首脳会談開催などを柱とした釜山宣言2008を発表した。両国政府に向けた提言を宣言に盛り込んだのは初。
李明博大統領が提唱した九州・韓国東南部による「超広域経済圏」の実現に向けて、両市が10月に協議会を設置するなど経済協力の仕組み作りが活発化。北東アジア経済圏も見据えたこうした動きを「日韓の地域連携モデル」と位置付け、その現場で首脳同士が両国関係について話し合うことで、一連の取り組みをアピールしたい意向だ。
経済協力については、若い労働力を確保するためのインターンシップ協議会や、相手の地域から投資を呼び込むための支援組織を福岡側と同様、釜山側にも設置するよう促したほか、今年9月に両地域24大学で発足した「大学間コンソーシアム(連合)」にも、研究や就職など多分野で産業界と協議するよう提案している。
今回から釜山市医師会長が参加したのを機に、新型インフルエンザなどの感染症を水際で防ぐため、今後、医療関係者同士で情報交換。来年の「福岡‐釜山友情年」の支援も兼ねて、マラソン大会の提携などマスコミを中心に共同イベントを開催していく。
福岡‐釜山フォーラムは両地域の産学各界の代表23人で構成。第4回会合は来年秋、福岡市での開催が決まった。
=2008/11/02付 西日本新聞朝刊=