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【コラム】米国、あなたこそしっかりやりなさい(上)

経済危機の震源地・米国、不吉で醜い大統領選挙

それでも世界の中心である米国、自分がやるべきことからしっかりと

 米国ウォールストリートの経済評論家が「韓国経済には幽霊が出没している」と指摘した。ウォールストリート・ジャーナルは「韓国では複数の困難が同時に表面化しているが、韓国の官僚たちは国際通貨基金(IMF)による支援を拒絶している」と非難した。その上、あちこちで「韓国はアジア通貨危機の教訓を忘れた」という忠告も聞かれる。「賊反荷杖(盗人猛々しい)」とはこのことだ。自分たちが原因を作り、その被害が世界中に及んでいるというのに何を偉そうなことを言うのだろうか。

 IMFによる支援に関して言えば、米国こそが世界で最初に受けるべきだ。米国が今国家破たんに至らないのは、ドル紙幣を好きなだけ刷ることができるため、ただそれだけに尽きる。それさえなければ幽霊はこの国全体を飲み込んでしまっているだろう。

 現時点では、米国の住宅価格バブルの崩壊と投機が問題の根本原因だが、真の米国病は別にある。すなわち今や怪物となってしまった米国の貿易赤字と財政赤字だ。米国がドルを印刷すれば、世界の外国為替市場の火種となっている米国の財政赤字はさらに膨れ上がる。いつの日か米国はその莫大(ばくだい)な負担を、今回のように世界に負わせることだろう。その時になってもウォールストリートは、自分たちのために被害を受ける国を叱りつけ、「幽霊が出没」などと言ってのけるのだろうか。

 普段から米ワシントンの光景を目にしているからだろうか、米国の政治が抱える問題がこれまで以上に大きく感じられる。過去の大統領選挙と同じように民主・共和の両勢力に分かれた米国は、今回はさらに激しく醜い選挙戦を繰り広げており、まるで分断国家にでもなったかのようだ。東西の海沿い地域は民主党側に、内陸はほぼ共和党側についている。年間所得3万5000ドル(約343万円)以下の階層は70%以上がオバマ候補を支持しており、5万ドル(約490万円)以上はマケイン候補を指示する傾向が明確になっている。

楊相勲(ヤン・サンフン)ワシントン支局長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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