Ｊ１大分、団結力で２冠視野＝地方の成功例、注目浴びるか

　混戦のＪリーグ１部（Ｊ１）で大分が４位に付け、リーグ制覇とナビスコ杯の２冠を視野に入れている。Ｊ１昇格６年目、ブラジル人のシャムスカ監督（４３）就任から４年目で、チームは急成長。リーグ最少２３失点の守備力が光るが、関係者は要因として団結力を指摘する。

　シャムスカ監督によると、個々の激しいマークと全体の守備が機能しており、監督と選手、さらに選手間のコミュニケーションがそれを可能にしている。同監督は「家族的雰囲気を大事にしている」と説明。他チームで控えだった移籍加入の選手が発奮して活躍する例も続き、ＦＷ森島康仁は「すごく家族的でストレスなくできる」と話す。

　チームは６月末から公式戦１７試合無敗を記録。９、１０月の遠征で「疲れやけがのため」（シャムスカ監督）連敗したが、「よく話し合った」（ＭＦ鈴木）ことで、１０月１８日のＦ東京戦は堅守を復活させて勝利。

　同２５日の神戸戦は惜敗したが、守備は機能していた。リーグ戦残り４試合中３試合は、今季公式戦１３勝１敗５分けと圧倒的に強いホームで、上位の鹿島、名古屋との直接対決に満を持している。

　営業面で、大分の収入は２２億円台でＪ１平均の３２億円台を大きく下回る。初タイトル獲得となれば、財政力の弱い地方クラブの成功例としてさらに注目が集まりそうだ。記録は１１月１日現在。　



[時事通信社]