県立病院好生館で摘出する必要のない右腎臓を全摘出されたとして、県内の女性が県に約2300万円を求めている損害賠償請求訴訟で、県は31日、佐賀地裁(神山隆一裁判長)の和解案を受け入れ、1000万円の和解金を支払う方針を明らかにした。女性側も受け入れる方針。
和解案は「事前に十分な検査をし、原告に十分な説明を行った上で治療法を決定すべきだった」と指摘。「原告に説明していれば腎臓の全摘出の同意をしたとは考えられず、全摘出したことは過失が認められる」として県が1000万円の和解金を支払うことを提案した。
県は「指摘は受け入れざるをえない」などと受け入れを決めた。11月議会に関連議案を提出する。
訴状によると、女性は01年7月、好生館で悪性腫瘍(しゅよう)があるとして腎臓の全摘出手術を受けたが、術後、悪性ではなかったと知らされ、ショックを受けた。
【高芝菜穂子】
毎日新聞 2008年11月1日 地方版