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慶応大の男子学生2人が学内で大麻を売買したとして今月、神奈川県警に大麻取締法違反(譲渡など)容疑で逮捕されていたことが30日、分かった。逮捕されたのは商学部2年の内田浩太郎被告(21)=30日に起訴=と経済学部1年・中村友士郎被告(20)=同罪で起訴後、保釈=。2人は「数人の友人と一緒に吸った」と供述していることから、学内の大麻汚染はさらに拡大する可能性が出てきた。慶大では2003年から毎年のように大麻による逮捕者を出している。
調べによると、内田被告は7月上旬、横浜市港北区の慶大日吉キャンパスで、中村被告に乾燥大麻数グラムを7000円で譲り渡した疑い。中村被告は今月1日、自宅で大麻を所持していたとして同法違反の現行犯で逮捕された。横浜地検川崎支部は30日、内田被告を起訴した。
2人は容疑を認めており、調べに対し「同じ大学の数人の友人と一緒に吸った」と供述。神奈川県警は慶大1年の19歳~20歳の男子学生3人から任意で事情を聞いているが、使用を否定しているという。県警は内田被告の自宅から大麻の吸引具を押収、入手ルートや売買の経緯を詳しく調べている。
慶大によると、内田被告は中学校に相当する普通部(横浜市港北区)から慶応高校(同)に進学。高校では1年次、2年次と2度留年した後、大学は商学部に進みアメフト部にも所属した。しかし、練習にはほとんど現れず事実上の幽霊部員状態。監督らの勧めもあり、8月3日付で退部届を出したという。
中村被告は中等部(東京都港区三田)を卒業後、慶応高で内田被告と知り合い、大学は経済学部に進んだ。だが1年次は取得単位が規定の半分に満たず留年。部活動などはしていなかったという。
2人の逮捕を受け慶大は30日に会見を開き、ここ数年連続で学生から大麻事件がらみの逮捕者を出していることを改めて明らかにした。同大広報室の話によると大麻取締法違反による逮捕者は2003年に1人、04年に1人、05年に2人、06年に1人、07年に1人の計6人。05年のケースは不起訴になったため、けん責処分としたが、ほかは無期停学処分を下したという。
しかし大学側では具体的な再発防止策をとっておらず、学生の間で大麻売買がうわさされていたことについても「全く把握していなかった」という。今回の事態に慶大では「再発防止委員会」を4日に招集し、大麻根絶運動を進める方針。
慶大は今年、創立150年を迎える。11月8日には、大麻の受け渡し場所とされる日吉校舎で記念式典が予定される。式典は、予定通り行われるというが、森征一常任理事は「福沢諭吉先生が創立して以来、学生に信頼をゆだねた教育を続けてきた。今後はきちんと対応策を考えないといけないと思う」と謝罪した。
(2008年10月31日06時04分 スポーツ報知)