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武装自警団乱立…パキスタン部族民「反タリバン」化 (1/2ページ)
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【バンコク=菅沢崇】パキスタンのアフガニスタン国境に近い部族地域で、部族民たちが独自に大規模な武装自警団を組織し、イスラム原理主義勢力タリバンや国際テロ組織アルカーイダを排除しようとする動きが顕著になってきた。イスラム過激勢力への掃討作戦が続くパキスタンでは、ザルダリ新政府がタリバンとの対話による安定化を模索している。しかし、現地では部族民の過激化に加え、アフガン駐留米軍による越境攻撃も相次いでおり、混迷は深まるばかりだ。
いくつもの部族が独自の掟(おきて)に基づき生活する部族地域では、9月ごろから各地で「ラシュカル」(武装する人)と呼ばれる数十人から数千人単位の自警団が結成され始めた。9月初めには、バジュール地区の過激勢力の民家など35棟を自警団が2日間に渡り焼き打ちし、10月も同様の攻撃が相次いだ。
複数の部族はさらに、各部族民にタリバンとの接触やタリバンの保護を禁じ、違反者に100万ルピー(約160万円)の高額の罰金を科す新たな掟を制定した。
自警団はそもそも、過激勢力との戦闘を続ける政府軍が、部族民に協力を呼びかける中で出現した。自らの居住地が戦場と化したまま一向に終結する兆しが見えないことに対する自警団の不満は根強く、携行式ロケット砲を使用し拠点を攻撃するなど活動は過激を極めている。