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「輸出依存度が高い韓国、困難は当分続く」

 1997年から98年にかけて国際通貨基金(IMF)の諮問委員として韓国の通貨危機について研究を行ってきた米国バークレー大学教授のバリー・エイケングリーン氏(写真)。エイケングリーン氏は先月30日に本紙との電話インタビューに応じ、「韓国経済はここ10年で非常に体質を強化した」と語った。

 エイケングリーン氏は30年代の大恐慌を取り扱った『金の足かせ』の著者で、米国ではバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長と並ぶ、大恐慌の専門家だ。以下は一問一答。

-フィナンシャル・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどが韓国の危険性を相次いで指摘している。

 「非常に誇張されている。現在、韓国の問題は非常に特殊なものだ。銀行による海外からの借り入れが原因で発生した問題だ。海外からの借り入れが突然行き詰まったことで問題が生じた。しかし、韓国の現在の状況は10年前とは大きく異なる」

-それでも外信がしきりに危険だと報じる理由は何か。

 「銀行による海外から借り入れや企業による過剰ヘッジの影響だろう。フィナンシャル・タイムズの報道は金融街でのうわさを書いたものに過ぎない。韓国のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムが上昇しているのは、一部の投機勢力が韓国の脆弱さにつけこみ金儲けを狙ったからだ。韓国では特に誇張されている」

-外信が危険だというため国内でも不安が高まっている。

 「韓国はこれまで企業の支配構造を改善するなど、多くの方面で非常に大きな発展を遂げてきた。もし韓国があのとき改革を行っていなければ、今回の金融危機ではより大きな災難に見舞われていただろう。そのため韓国の国民は自らを肯定的に見つめる必要がある。韓国はアイスランドやハンガリー、ウクライナとは異なり、IMFに救済を要請する必要はない」

-韓国経済不振の影響が示唆する教訓は。

 「韓国の金融当局は海外からの借り入れに対して徹底した管理監督を行わなければならない。企業による為替ヘッジにも問題があった。ウォンが高くなりそうだとしてヘッジを行ったようだが、為替は上がるときもあれば下がるときもある。つまり為替ヘッジは両方向だ。企業は為替が一方だけに偏ることはないということをしっかりと理解する必要がある」

-今後の韓国経済の展望は。

 「韓国は輸出に依存する経済体制のため、当分は困難が続くだろう。韓国も世界的な問題から自由にはなれない」?

-大恐慌は来るのか。

 「政策立案者たちは過去の大恐慌の教訓を十分に理解している。大恐慌は来ないだろう」

-今回の危機で米国の金融覇権は終わったのか。

 「米国の金融市場は崩壊したが、その後資金はどこに流れているだろうか。当分は(米国の覇権は)続くだろう」

-G20首脳会談の行方をどのように予想するか。

 「今後は世界の単一通貨や世界の金融規制を行う機関の設立など、新しい金融体制の構築に関する活発な討論が行われるだろう。しかしこれらは始まりに過ぎない。世界の金融市場をどのように効率的に改革するかに焦点を合わせた上で、その後の措置についてさらに話し合いを続ける必要があるだろう」

ワシントン=崔宇晢(チェ・ウソク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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