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通貨危機の次は実体経済の不振、頭を抱える韓国

 世界的金融危機や実体経済の不振の影響で、韓国の来年の経済成長率が1%台へ後退するという展望が発表された。これまで韓国国内では来年の成長率を2‐3%台とする見方が大勢を占め、韓国政府も3%台と予想してきた。

 また、現在の景気状況を示す指標や将来の景気動向を予測する指標をみても、1981年にこれら統計資料の発表が始まって以来、初めて8カ月連続で下落していることも明らかになった。これは景気後退が本格化していることを意味している。

 世界的投資銀行のUBSは、来年の韓国の成長率予測をこれまでの2.9%から1.1%へと下方修正した、と1日に発表した。これに先立ち、UBSは今年10月7日にも韓国の成長率予測を3.5%から2.9%へと下方修正していた。最近の世界的な実体経済の不振を反映し、輸出依存度が高い韓国の成長率予測をわずか1カ月で再び引き下げたことになる。

 UBS証券ソウル支店代表のチャン・ヨンウ氏は、「欧米を中心に、来年は世界的な景気後退期に突入することが予測される。そのため輸出依存度が高い韓国などアジア諸国の成長率も大幅に下方修正した」と説明した。

 また、統計庁はこの日発表した「9月の産業活動動向」で、操業日数を基準にした鉱工業生産が1年前に比べて0.8%減少したと発表した。産業生産の増加率がマイナスを記録したのは、2001年9月以来7年ぶりのことだ。

 統計庁は「景気が後退している上に、現代自動車におけるストなど労使紛争が重なったことで、生産がマイナスに転じた」と説明した。

 また消費の状況を示す消費財の販売動向も、原油高や物価の上昇などでガソリン、乗用車、衣類などの販売が不振に陥ったことから、結果的に前年同期比に比べて2.0%減少した。消費の不振で品物が売れないことから在庫も1年前に比べて17.4%増え、1996年11月に17.8%の増加を記録して以来、11年10カ月ぶりの高い増加率を記録した。現在の経済状況を示す「景気動向指数の循環変動値」は8カ月連続、また今後6カ月から9カ月後の景気動向を示す「景気先行指数の前年同月比」は10カ月連続で下落が続いている。

 韓国銀行はメーカー2127社を対象に行った「10月の企業景気調査」で、製造業における11月の業況展望企業景気実査指数(BSI)が前月比で13ポイントもマイナスの65を記録し、月別統計の発表を開始した2003年1月以来最も低かったと発表した。

金起勲(キム・ギフン)記者

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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