2008.10.16

土曜プレミアム
フジの芸術ルネッサンス

『これでいいのだ!!赤塚不二夫 伝説』

故・赤塚不二夫氏
日本を代表する天才ギャグマンガ家の人となり、知られざる一面を掘り下げる。故・赤塚不二夫氏

赤塚不二夫氏追悼特番、放送決定!

<2008年11月1日(土)21時から23時10分放送>


 2008年8月2日(土)に惜しまれながらもこの世を去った、日本を代表する天才ギャグマンガ家の赤塚不二夫氏。フジテレビでは、10月18日(土)から3週連続で放送する“フジの芸術ルネッサンス”シリーズの一環として、来る11月1日(土)21時から、その赤塚氏の追悼特番を放送する。番組では、遺族はもちろん、漫画界、出版社、芸能界での故人ゆかりの方々に取材を行い、知られざる天才の素顔に迫るとともに、一世を風靡した代表作『おそ松くん』誕生秘話、そしてマンガ家として大ブレークに至るまでの半生をドラマ仕立てで紹介する。

 実はフジテレビでは、3年ほど前から、赤塚氏の半生を描くドラマの企画を進めていたが、その企画が実現しないうちに赤塚氏が亡くなってしまうという悲しい知らせが届いた。そのため、急きょ手法を変えて、ドキュメンタリーとして偉大なる故人の人となりを描くことを提案し、今回の企画が実現。番組制作に当たっては、「マンガ家として生きてきた赤塚不二夫という面をしっかりと描いて欲しい」という遺族の希望をくみ、遺族はもちろん、漫画界、編集者など、故人ゆかりの方々に取材を行い、天才ギャグマンガ家の裏に秘められた一面を掘り下げる予定だ。
 この番組の総合プロデュースを手がけるのは、1996年度のドキュメンタリー大賞グランプリ、地球環境映像祭・審査員特別賞、ギャラクシー賞奨励賞のトリプル受賞に輝く『幻のゴミ法案を追う』でディレクターを務め、『天国で逢おう〜末期がんウィンドサーファーの家族、その愛(2005年2月11日放送)』、『天使になった歌姫・本田美奈子.(2005年12月16日放送)』ではプロデュースを手がけた、味谷和哉(フジテレビ情報制作局)。今回も、さまざまな角度から、人間・赤塚不二夫に迫り、その魅力を余すところなく紹介する。

 番組は、ゆかりの方々のインタビューでつづるドキュメンタリーと、赤塚氏が満州から日本に引き揚げてきた後、代表作のひとつ『おそ松くん』で一世を風靡し大ブレークするまでの半生を描いたドラマ、そして、幾度にも渡りアニメーション化された代表作品の数々や人気キャラクターの紹介など、大きく分けて3部構成。赤塚氏の人となりを描く上で、特に重要となるドキュメンタリー部分に関しては、赤塚氏の長女で、現在はフジオ・プロ代表取締役社長の赤塚りえ子氏をはじめ、マンガ家・赤塚氏を語るには欠かせない藤子不二雄A氏、『おそ松くん』連載当時を含め赤塚氏のアシスタントを17年もの間務めていたマンガ家の北見けんいち氏、元「少年マガジン」の編集者で赤塚氏の担当編集だった五十嵐隆夫氏、また、酒好きで知られる赤塚氏の飲み仲間のひとりとしてクマさんの愛称で知られる芸術家の篠原勝之氏、そして、そのたぐいまれなる才能を赤塚氏本人に見いだされ、赤塚氏の葬儀の際には弔辞を述べたタモリ氏など、生前の故人をよく知る方々へインタビュー取材を行い、あらゆる方面から赤塚氏の素顔を掘り下げる。
 また、ドラマ部分に関しては、「赤塚不二夫を表現できるのは赤塚不二夫しかいない」という味谷プロデューサーの考えで、当初ノンキャストで準備を進めていたが、偉大なる天才マンガ家をドラマで描くに当たっては、やはり演技力は不可欠。そこで、「演技力と経験は申し分なく、それでいて特定のイメージがついていない俳優を探そう」と方針を改めた。その結果、若かりし頃の赤塚不二夫氏本人を演じる大役を担うこととなったのは、映画「月光の囁き(塩田昭彦監督・1996年)」や、「ロックンロールミシン(行定勲監督・2001年)」など数々の映画作品に出演し、独特の存在感を発揮する水橋研二。当時の妻、登茂子役は、野波麻帆(1996年第4回「東宝シンデレラ」グランプリ)が演じる。

 この番組で「赤塚氏の生涯を通じて、人の優しさに迫りたい」と語る味谷は、赤塚氏の漫画が一世を風靡した頃をリアルに体験している世代。幼少時、自分をとりこにした赤塚氏の作品を「日本の国民性がまだまだきまじめだった頃、当時ではありえないほどの突き抜け感が子供心に心地よかった。それだけでなく、作品の底にはどこかほろっとさせるヒューマニズムがあり、笑いに彩られた作品の中に、人間の悲しさや優しさが流れているところに、子供ながら無意識に引き寄せられていたのだと思う」と分析する。
 そして、番組制作のための下調べをして行くうちに明らかになってきたのは、相手の地位や立場に関係なく、誰に対しても分け隔て無く接する赤塚氏の人柄。その人柄をより深く描くため、幼少期の満州での体験がその人格形成に大きな影響を及ぼしているのではないか、という視点に基づき、赤塚氏がなにゆえそれほど人に優しくすることができたのか、破天荒ともとれる数々の振る舞いの裏には何があったのかを掘り下げてゆく。

 「面白くてやがて哀しく、最後にほろっと来るような番組にしたい」という味谷の言葉通り、偉大なる天才ギャグマンガ家・赤塚不二夫の生涯を描くことで、数々のギャグに笑いながらも、ふと人としてのあり方を考えさせられる番組になりそうだ。この『これでいいのだ!!赤塚不二夫 伝説』の放送は、11月1日(土)21時から。リアルタイムで氏の作品に触れた世代の方々にはもちろんのこと、“人”という普遍的テーマを根底に持つ赤塚氏の作品、そしてその人生は、彼をまだよく知らない世代の方々にも、少なからず感銘を与えるに違いない。ぜひともご注目いただきたい。


<番組概要>

◆ タイトル

土曜プレミアム フジの芸術ルネッサンス
『これでいいのだ!!赤塚不二夫 伝説』

◆ 放送日時

2008年11月1日(土) 21時から23時10分

◆ 総合プロデューサー

味谷和哉(フジテレビ)

◆ 総合演出

丹治哲雄(東放制作)

◆ プロデューサー

  • 桑原一仁(近代映画協会)
  • 溝上 清(近代映画協会)

◆ ドラマ演出

佐藤 太(近代映画協会)

◆ 制作協力

  • 近代映画協会
  • 東放制作

◆ 制作著作

フジテレビ


2008年10月16日発行「パブペパNo.08-292」 フジテレビ広報部
※掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。