倉吉市東昭和町の県立厚生病院の屋上ヘリポート周辺がハトの巣窟(そうくつ)になり、ふんや羽毛が患者に健康被害をもたらさないか懸念されている。県監査委員は31日、県に対策を要求。平井伸治知事は「ぜひ対策を検討したい」と応えた。【小島健志】
この日、まとまった県定期監査の結果で指摘された。監査意見は「建物の屋上やベランダのいたるところにハトが多く飛来し、ふんや羽毛が大量に落ちている」と指摘。ヘリポートからの緊急搬送時にふんが病院内に運び込まれる可能性を挙げ、「サルモネラ食中毒など人体への悪影響が懸念される」とした。
病院によると、ヘリポートは07年5月、5階建ての診療棟を新設した際に設置。これまで水難事故や山の転落事故など8回の緊急搬送で使用され、搬出では転院のために7回使われた。
ヘリポートとエレベーターを結ぶ通路の周辺にはハトのふんがたまり、羽毛が散乱。今春、給水塔を囲むように防鳥ネットを張ったが、建物のすき間からハトが入ってきており、少なくとも数十羽は目撃されている。
雨をしのぐためか、新棟設置後にハトが集まってきたという。通路は普段、出入りが出来ないため患者への直接の被害は出ていない。病院は専門家らと対策を検討している。
稲田寿久監査委員は「ワシやタカといった天敵からハトが身を守れる構造になっている」と指摘。病院の藤井路久事務局長は「建物をすべて防鳥ネットで覆うわけにはいかず、頭が痛い問題だ」と話していた。【小島健志】
毎日新聞 2008年11月1日 地方版