【タイ】タイのソムチャーイ首相に酷似した男性が若い女性とモーテルやレストランに入る動画が動画投稿サイト、ユーチューブに投稿され、大きな話題を呼んでいる。
動画は2006年に尾行者が撮影したとみられ、全部で4本。反政府系大手新聞プージャッカーンが自社ホームページに解説記事と動画リンクを掲載した。
首相に似た男性は真っ赤なメルセデスベンツ、白いレクサスなど4台の車を乗り回し、日中に若い女性とモーテルに入ったり、ホームセンターで冷蔵庫を買うなどした。うち1本では首相の妻のヤオワパー元下院議員に似た女性と食事に出かけた。相手の女性は動画ごとに異なっていた。
ソムチャーイ首相はタクシン元首相の妹のヤオワパーさんと結婚し、3人の子供がいる。首相は30日、この動画に関するコメントを拒否した。
タイはタクシン元首相派の現政権と反タクシン派の抗争で国が分裂状態に陥っている。バンコクのタイ首相府は8月下旬からプージャッカーン創業者のソンティ氏らが率いる反政府団体に占拠され、10月7日には国会議事堂を包囲した反政府デモ隊を警官隊が強制鎮圧し、多数の死傷者が出た。事件後、陸軍司令官がテレビを通じ首相に事実上の辞任勧告を行うなど、政権基盤は大きく揺らいでいる。ソムチャーイ首相はこうした状況を粘り腰でしのいできたが、今回の動画騒動で「温厚」「実直」といったイメージが崩れ、家庭内でもトラブルを抱える可能性がある。
〈ソムチャーイ・ウォンサワット〉
1947年、南部ナコンシータマラート県生まれ。一般家庭に育ち、小中と地元の公立校に通った。タマサート大学法学部卒。裁判官を経て、 1999―2006年法務次官、労働次官。2008年2月のタクシン元首相派サマック政権の発足で副首相兼教育相、サマック前首相の失職を受け、9月から首相兼国防相。北部の裁判所に勤務中にタクシン氏の妹のヤオワパーさんと知り合い結婚。子供3人。通信事業で財を築いたタクシン氏の関係で、ウォンサワット家はタイ証券取引所(SET)上場の携帯電話販売会社Mリンク・アジアなど複数の企業を所有している。