2008年11月1日 0時57分更新
ハンセン病の元患者が作った陶芸や手芸などの作品を集めた展示会が、瀬戸内市のハンセン病療養所で開かれています。
国立ハンセン病療養所「邑久光明園」の会場には、療養所に入所している元患者などおよそ140人が作った陶芸や写真など、さまざまな分野の作品およそ300点が展示されています。
このうち岩村春子さんが制作した備前焼の作品は、療養所内にある電気窯で焼き上げたもので、ハンセン病で障害がある指先を、一生懸命に使いながら細かい紋様を切り抜くなどの工夫を凝らしています。
また南龍一さんの写真は、社会から孤立していた療養所にかけられた橋、「邑久長島大橋」の建設工事の様子を撮影したもので、ことしで橋が完成して20周年を迎えたことを記念して当時の写真を展示をしています。
邑久光明園の入所者の平均年齢は80歳になっていて、高齢化で手足が不自由になり、趣味を続けられない入所者も多いということですが、訪れた人たちは、入所者たちが一生懸命に作った作品を熱心に眺めていました。
入所者自治会の屋猛司会長は「展示会を通して一般の人にも療養所を訪れてもらい、入所者と社会との交流がさらに進めることができれば良いと思う」と話していました。
この展示会は、来月5日まで瀬戸内市の「邑久光明園」で開かれています。