2008年 10月 30日
アメリカが最も嫌うネットウヨPART2 |
今日の日経によると,国際問題の研究を行うシカゴ・カウンシル(1922年に設立された地球規模問題に関する調査を行う無党派の組織)が,アメリカ人の日本に関する意識調査で,日本より中国を重視する人が多いという結果が出たと報じている。民主党のオバマ氏が大統領になったら、この傾向にさらに拍車がかかるだろう。
明らかにアメリカの世論は中国重視に傾いている。これは,中国の経済力の潜在的な大きさということもさることながら,昨日書いたように 「中韓を知らなすぎた男」などのネットウヨの主張が、中国や韓国のアメリカ国内におけるロビー活動を手助けし,アメリカ人の反日の世論を造るための絶好の材料となっているからである。アメリカ人から見ればネットウヨの排他性はアルカイダやタリーバンと同じ種類の排他性に思えるのである。このようなアメリカ世論と相反するように、ネットウヨは毎日のように時代錯誤の暴支膺懲,外国人排斥,国連脱退のスローガンを叫んで日本の国益を害している。
日本は,衰退国家として破滅したくなかったなら,ネットウヨの蔓延を阻止し,ネットウヨの言うような亡国の道を歩むのではなく,同盟国であるアメリカに安全保障上の機軸に置きながらも,経済政策上は,外貨準備がともに多く,過剰融資の影響が少ない中国と協調・連携して東アジア版ニューディール政策のような思い切った政策を行い,世界経済を引っ張る役割を果たす必要がある。ネットウヨの言うように中国と断絶し,アメリカだけには逃げられないようにするなんて寝言を言っていては,現在の危機は乗り切れない。
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Tags:日本の政治
シカゴ・カウンシルの調査の原文(http://www.thechicagocouncil.org/dynamic_page.php?id=76)を見てみました。
で、よく読んでみると
> While many Japanese analysts and commentators have worried that the United States is losing interest in Japan, especially with the rising importance of China, the study found that the rise of China is increasing the importance of the U.S.-Japan alliance; Americans continue to see Japan as an influential partner in the international system.
日本人の評論家連中はジャパンパッシング(Japan passing)を心配しているようですが、中国の隆盛によって日米同盟の重要性は増大しているというのが米国人の見方だということです。
>On a 0 to 100 thermometer of feelings (with 0 meaning a very cold, unfavorable feeling and 100 meaning a very warm, favorable feeling), Japan ranks well ahead of China, with a mean rating of 59 compared to China’s 41.
日本については肯定的・好意的な感情が優勢であるのに対して、中国については否定的な感情が優勢、と。
続きます。
で、よく読んでみると
> While many Japanese analysts and commentators have worried that the United States is losing interest in Japan, especially with the rising importance of China, the study found that the rise of China is increasing the importance of the U.S.-Japan alliance; Americans continue to see Japan as an influential partner in the international system.
日本人の評論家連中はジャパンパッシング(Japan passing)を心配しているようですが、中国の隆盛によって日米同盟の重要性は増大しているというのが米国人の見方だということです。
>On a 0 to 100 thermometer of feelings (with 0 meaning a very cold, unfavorable feeling and 100 meaning a very warm, favorable feeling), Japan ranks well ahead of China, with a mean rating of 59 compared to China’s 41.
日本については肯定的・好意的な感情が優勢であるのに対して、中国については否定的な感情が優勢、と。
続きます。
続き
>57% of Americans are prepared to see Japan change Article Nine of its Constitution to allow Japanese forces to engage in a wider range of military activities. That is higher than support for Constitutional change among the Japanese public.
57%の米国人が日本の憲法9条改正(自衛隊の活動範囲の拡大)への心構えはできており、これは日本人の改正賛成派の比率をも上回っている、ということです。
要するに、メディアが「何を伝えたか」だけでなく、「何を伝えなかったか」に着目することも重要だという好例ですね。
>57% of Americans are prepared to see Japan change Article Nine of its Constitution to allow Japanese forces to engage in a wider range of military activities. That is higher than support for Constitutional change among the Japanese public.
57%の米国人が日本の憲法9条改正(自衛隊の活動範囲の拡大)への心構えはできており、これは日本人の改正賛成派の比率をも上回っている、ということです。
要するに、メディアが「何を伝えたか」だけでなく、「何を伝えなかったか」に着目することも重要だという好例ですね。
ついでに、この調査の完全版(ttp://www.thechicagocouncil.org/UserFiles/File/POS_Topline%20Reports/POS%202008/2008%20Public%20Opinion_Japan.pdf)を見てみましょう。
まず図1は、米国が重視する国家が列挙されています。
ここで中国は日本(4位)より上の3位に位置していますが、ロシア(8位)、イラン(9位)、パキスタン(10位)も「重視する国」に含まれているという事実を見れば、これが必ずしも「友好的な意味で重視する国」を示しているわけではないことがわかります。
ちなみに、Koreaは南北ともにランク外です(エジプト、ベネズエラ、インドネシア以下)。「北朝鮮の脅威」という表現は文中に散見されますが、米国にとってKoreaの存在感は南北とも「その程度でしかない」ということですね。
続きます。
まず図1は、米国が重視する国家が列挙されています。
ここで中国は日本(4位)より上の3位に位置していますが、ロシア(8位)、イラン(9位)、パキスタン(10位)も「重視する国」に含まれているという事実を見れば、これが必ずしも「友好的な意味で重視する国」を示しているわけではないことがわかります。
ちなみに、Koreaは南北ともにランク外です(エジプト、ベネズエラ、インドネシア以下)。「北朝鮮の脅威」という表現は文中に散見されますが、米国にとってKoreaの存在感は南北とも「その程度でしかない」ということですね。
続きます。
続き
次に図2は、米国人の対日・対中感情を示しています。
対日感情は日米貿易摩擦と日本のバブル期に一時的に悪化していますが、それ以外の期間はおおむね良好です。
一方対中感情はというと、1986年の調査で一時的に好転していることを除けば、総じて悪いですね。
しかも、過去10年間で対日感情と対中感情の差は拡大しています。これはつまり、日本のネットウヨや中国のロビー活動なんぞ、米国人の対日観や対中観にほとんど影響していないということでしょう(中国は本来ならもっと悪化していてもおかしくないところをロビー活動で改善している、という可能性はあるかもしれませんが(笑))。
結論としては、図2の解説として記載された
>These diverging trends in feelings toward China and Japan parallel the changing perception of economic and overall threat faced by the United States from these countries.
以降(略)の文が示すとおり、米国は中国を「経済的および全般的な新興の脅威として重視」しているわけです。
次に図2は、米国人の対日・対中感情を示しています。
対日感情は日米貿易摩擦と日本のバブル期に一時的に悪化していますが、それ以外の期間はおおむね良好です。
一方対中感情はというと、1986年の調査で一時的に好転していることを除けば、総じて悪いですね。
しかも、過去10年間で対日感情と対中感情の差は拡大しています。これはつまり、日本のネットウヨや中国のロビー活動なんぞ、米国人の対日観や対中観にほとんど影響していないということでしょう(中国は本来ならもっと悪化していてもおかしくないところをロビー活動で改善している、という可能性はあるかもしれませんが(笑))。
結論としては、図2の解説として記載された
>These diverging trends in feelings toward China and Japan parallel the changing perception of economic and overall threat faced by the United States from these countries.
以降(略)の文が示すとおり、米国は中国を「経済的および全般的な新興の脅威として重視」しているわけです。