景気の悪化に合わせて「身の丈消費」という言葉が登場した。収入に見合った商品を購入する消費スタイルを表している その反動で「背伸び消費」という言葉が消えた。こちらは少し背伸びした生活スタイルを言う。景気に合わせて暮らしを見直し、無駄を省くことは大事だが「身の丈消費」は別ものに思える。まして成長のエネルギーでもあった「背伸び」を悪者扱いにするのは寂しくないか 昔の軍隊は「体に服を合わせるのではない、服に体を合わせろ」と言ったという。自分の責任でもない理不尽な不景気の到来に黙々と従って、暮らしのレベルを不景気に合わせて下げてしまうのは、無茶な軍服の例えに似ていて腹立たしい 政府の追加経済対策が出た。生活支援給付金を「ばらまき」とけなすのは簡単だが、安易な批判には「国民は身の丈に合わせた政治家しか持てない」とのいやな格言を思い出す。即効性のある栄養剤であり消費回復の呼び水として利用したい 危機に遭うと身を縮めるヤドカリでさえ成長に見合う貝を探し出して大きくなっていく。小さく縮こまるだけでは何も変わらない。
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