業界再編の第一歩か パナソニック、三洋買収へ
パナソニックが三洋電機の買収に向け、優先株を保有する米大手ゴールドマン・サックスなど金融3社と協議入りすることが1日、分かった。年内の基本合意を目指す。実現すれば、大手電機メーカー同士による国内初の本格的な再編となり、単純合算で年間売上高が11兆円を超える最大の電機メーカーが誕生する。他メーカーの再編を促すきっかけにもなりそうだ。
三洋の大株主3社の優先株は普通株に換算して発行済み株式の67・97%(議決権ベース)に当たる。パナソニックはこの大部分を取得し、三洋をグループ傘下に置くとみられる。
パナソニックは10月に松下電器産業から社名を変更。2009年度に連結売上高を10兆円にする目標を掲げ、M&A(企業の合併・買収)の活用を模索していた。
三洋の買収で、携帯電話やノートパソコン向けに成長を続けるリチウムイオン電池で圧倒的な世界シェアを握り、自社で持たない太陽電池事業を手に入れたい考え。
ただ、優先株の売却価格などをめぐって金融3社の間に思惑の違いもあり、交渉がスムーズに進むかは不透明だ。
三洋は06年3月、ゴールドマン、大和証券SMBC、三井住友銀行に計約3000億円の優先株を発行した。3社は来年3月には三洋の同意なしに株を手放すことが可能になるため、売却先を模索。半導体や白物家電など不採算事業を切り売りせず、三洋を継承できるパナソニックを交渉先に選んだとみられる。
三洋創業者の故井植歳男氏は、旧松下の創業者である故松下幸之助氏と親せき関係。松下から独立して三洋を興しており、両社は歴史的なつながりがある。
▼パナソニック 1918年に故松下幸之助氏が創業した総合エレクトロニクスメーカー。10月1日に松下電器産業から社名変更した。本社は大阪府門真市。主力商品は薄型テレビや洗濯機、冷蔵庫をはじめとする白物家電、電子部品など。2008年3月期の連結売上高は9兆689億円、純利益は2818億円。グループ会社は550社余りで、従業員数は約30万人。
▼三洋電機 1947年に元松下電器産業(現パナソニック)専務の故井植歳男氏が創業。本社は大阪府守口市。充電池や太陽電池が強みで、家電や電子部品も手掛ける。2007年に経営不振で創業家出身の井植敏雅社長が辞任。大株主の三井住友銀行など金融3社が経営の主導権を握る。08年3月期の連結売上高は2兆178億円、純利益は287億円。グループ会社は180社余りで、従業員数は約10万人。
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