猿山氏のサイトにて使用されている表現について訂正を入れる前に、裁判の最初の段階から相違していた双方の立脚点について、まずは簡単にではございますが、ご説明させていただきます。
2007年3月、猿山氏のサイトにおいて「月影氏は猿山氏の作品を盗作している」という告発があり、月影氏は「そのような事実はない」との主張から話し合いを試みて参りましたが、残念ながら話し合いの場を持つこともままならず、2007年6月に名誉毀損の提訴を立ち上げました。
しかし訴状が到着し、2007年10月に第一回目の裁判が行われた際、猿山氏側から提出された資料には、争点となっている各々の作品が「鋼の錬金術師の二次創作である」という注釈が完全に抜けており、双方は裁判所側から「二次創作」「鋼の錬金術師」「女体化」とはどういうものなのか、という旨の資料提出と説明を求められました。
「盗作」という言葉がどこからどこまでを指すのかは極めて曖昧ではありますが、全てをトレースしているというレベルでなくとも、特徴まで含めて表現するのであれば、確かに双方の描く作品には、「エドワード」という名の姉と、「アルフォンス」という名の弟が登場し、髪型から機械鎧まで、キャラクターを示す記号全てが同じものです。
しかし、それらが今回争点になっている場合においての「盗作」に当たらないことは、同人誌業界の方々なら当然ご承知のことと思います。
但し、それは我々同人誌業界の中での常識であり、猿山氏から裁判所に伝達されていないのであれば、こちら側で説明するしかありません。
そこで、次の裁判に向けて、月影氏は同人誌活動をしているご友人方に、それらの事情を説明してもらうための検証を依頼しました。
そして、猿山氏に提示を要求された「盗作」の検証資料(実際にこの絵がこの絵を盗作しています、という絵の資料です)については、「絵を仕事にしている専門家が、商業名をあげた上で検証しなくては裁判資料として通用しない」とのことでしたので、プロの漫画家として活動しているご友人方に検証をお願いしたものであります。
このあたりの方々の一部のお名前・出版社名・サイト名が、猿山氏のサイトに一方的に上げられておりますが、裁判の協力者を無許可で晒すことは、当然ながら重大なルール違反に当たります。
猿山氏のサイトに、「月影氏側が提出した資料」として、ご友人の検証の他に、鋼やカードキャプターさくらのWIKI、原作単行本、コミケカタログが上がっているのは事実ですが、それはこうした事態から、裁判所の要請を受けての資料提出です。
*カードキャプターさくらは、月影氏には関係のないジャンルですが、猿山氏が盗作の検証資料として、ご自分のさくら同人誌を上げて来られたので必要になりました。
その後、裁判が長引いた経緯等の詳細につきましては、いずれこのサイトに上げる予定の実際の裁判資料をご確認いただきたいと思いますが(個人名や裁判と関係のない事柄・個人的なメールを除いたものになります)、ほぼ月に一度のペースで行われた裁判は数ヶ月間続き、2008年1月〜5月の裁判で、裁判所より何度か和解を促されました。
月影氏はいくつかの条件を提示し、これを実行していただけるなら和解に応じますと返答しました。
猿山氏はその条件を検討した上で、それは飲めないとのご判断から反訴状を提出されました。
反訴に関しては、現在審理中です。
以下は猿山氏の反訴状より抜粋したものであります。
2.二次的著作物との主張について
反訴被告(以下・月影氏)は、反訴原告(以下・猿山氏)の作品は荒川弘著『鋼の錬金術師』のパロディ、二次的創作であると主張している。
しかし、猿山氏の作品は二次的著作物ではない。
「原著作物に依拠し、かつ原著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる場合は二次的著作物となり、感得できない場合は別個の著作物となる」
(『著作権法』中山信弘著、有斐閣128頁)とされている。
猿山氏の作品は『鋼の錬金術師』に依拠したものではあるが、『鋼の錬金術師』を読んだ者が猿山氏の作品を読んでも『鋼の錬金術師』を想起するとは考えられず、『鋼の錬金術師』の本質的特徴を直接感得するものではない。
(ただ、実際には『鋼の錬金術師』の二次創作である旨の注釈をつけているため、
読者は『鋼の錬金術師』の二次創作であることを知っている)。
(平成20年5月12日付 反訴状より抜粋)
この段階で、すでに猿山氏がサイトで公表されている「反訴内容」に、どれだけ重大な情報が抜けているか、ご理解いただけると思います。
そして、自作がオリジナルであるとするならば、何故猿山氏は自サイトを鋼のサーチリンクに登録し、サイト内「活動内容」の項目で「鋼の錬○術師」を選択されているのか。
「盗作されている件について」という、名誉毀損の発端となった項目で「パロディ同人誌の間で起きた問題」と自ら公言されているのか。
鋼のオンリーイベントにて、ご自身で仰るところの「オリジナル同人誌」を販売すべく参加されていらっしゃるのか。
私達には理解できません。
こうした経緯・こちら側からの見解をご理解いただいた上で、
7月と9月に猿山氏のサイトに上がった文章の、事実と異なる部分をご覧ください。