障害者自立支援法は違憲とし障害者が全国8カ所で一斉提訴 東京では法律撤廃求め集会
福祉サービスの原則1割を自己負担させる障害者自立支援法は憲法違反であるとして、障害者が全国8カ所で一斉に提訴した。東京には、全国各地から障害者が集まり、法律の撤廃を求めて集会を行った。
会場を埋め尽くす全国から集まった6,000人を超える障害者たち。
3年前に成立した障害者自立支援法によって、生活は大きく変化した。
日比谷野外音楽堂で行われた集会「もうやめようよ! 障害者自立支援法」で、自民党の伊藤公介議員は「自立支援法の目的は、1人1人の皆さんが、健常者と同じように社会参加をし...」と語った。
自民党は、障害者年金を上積みする方針などを明らかにしたが、会場の反応は冷ややかだった。
参加者は「今すぐ、子どもの分野での障害者自立支援法を撤廃してください」と訴えた。
「痛みをともなう改革」を掲げる小泉政権の下で誕生した障害者自立支援法。
それまでの所得に応じてサービスの利用料を負担する仕組みが、原則1割負担となり、多くの障害者が経済的に苦しくなった。
その結果、サービスの利用抑制が起きて、外出できずに引きこもったり、体調を崩すケースが続出し、障害者の生活は閉塞感に包まれている。
こうした状況を変えるため、東京や大阪、福岡、広島など全国8カ所で、30人の障害者が国を相手に一斉提訴した。
障害者自立支援法は、「個人の尊厳」や「生存権」を定めた憲法に違反するとして、制度変更によって支払ったサービスの負担額を国に賠償請求した。
原告の五十嵐 良さんは「この自立支援法で生きていくのは、限界だと思う」と語った。
障害者自立支援法違憲訴訟の竹下義樹弁護団長は「矛盾したこの福祉に対して、どうしても、物言わざるを得ない思いからの決断だったということをご理解いただきたいと思います」と話した。
障害者団体は、自立支援法の廃止を求めているが、政府与党は、部分的な手直しにとどめる方針。
今後の対応に注目が集まっている。
(11/01 00:40)