李炳圭「猛打ショー」 広角打法で新Gキラーだ
中日の李炳圭外野手(33)が18日、今年のオープン戦でチーム初の猛打賞をマークした。巨人戦(東京ドーム)で4打数3安打、2打点の活躍。昨季は苦手にしていた外角の球を左翼方向へ打ち返す巧みなバットコントロールを見せた。「コースに逆らわない打撃を心掛けている」と言う来日2年目は広角打法で安打量産態勢を築く。
李炳圭の昨季の猛打賞は132試合に出場して9度。巨人戦では1度もなかった。オープン戦とはいえ打撃の状態がいい何よりの証拠。打率2割6分2厘に終わった昨季の雪辱を期す「韓国の安打製造機」は「去年1年経験したことでボールが良く見えている」と自信を示した。
1回二死走者なしの1打席目は相手先発の門倉から三遊間を抜ける左前打。4回一死走者なしの2打席目は左翼フェンス直撃の二塁打を放った。5回一死1、二塁の3打席目は左中間を破る2点適時二塁打。「コースに逆らわない打撃を意識しているから、そうなっている」と左翼方向への安打に満足顔だった。
オープン戦は18日現在で36打数12安打。半分の6安打が左翼方向だ。「調子がいい時はセンター方向に打球が飛ぶ」とバロメーターにしている中堅方向は5安打。韓国で通算3割1分2厘(10シーズン)の成績を残した実力をのぞかせている。
好調さはピークではない。8回の先頭打者で迎えた4打席目は巨人の新助っ人、バーンサイドと対戦。変則左腕の速球にやや詰まらされて遊ゴロに倒れた。「相手投手との感覚が少しずれている。開幕までに完ぺきにしたい」と話したように、これからが最終調整だ。
報道陣に対して口を開くことの少ない選手がこの日は足を止めて取材に対応。いつになく冗舌だった。「巨人戦は苦手?去年ほど意識はしていないよ。新しいシーズンが始まるわけだからね」。昨季はなかった余裕を漂わせて敵地を後にした。(高柳 隆)
【写真説明】2年目で本領を発揮し始めた韓国の安打製造機・李炳圭
(2008年3月19日更新)