李炳圭勝ち越しタイムリー呼んだオレ流眼力
 「安打製造器」の狂い見抜いて的確アドバイス

 中日の李炳圭外野手(33)が15日の試合で「オレ流効果」によりチームに決勝点をもたらした。2―2で迎えた四回二死満塁で勝ち越しの左前2点適時打。試合前の練習で落合博満監督(54)から受けた助言を生かして巨人のエース上原を打ち砕いた。来日2年目は勝負強い打撃でチームの勝利に貢献している。
 試合前、ティー打撃を始めた李炳圭に落合監督が歩み寄った。持っていたノックバットを水平から斜めにし、右肩が上がり、左肩が下がった打撃フォームになっていることを指摘。真剣な表情で聞き入っていた李炳圭はうなずいた。
 「『大きい当たりを打とうとしているようにみえる』と言われました。自分では気付いていなかったです」
 韓国で「安打製造機」といわれた打撃もコントロールがいい日本の投手を相手にすると狂いやすい。開幕直後に好調だった打撃は9日の阪神戦(甲子園)で左腕の下柳に抑え込まれたあたりから、やや下降線。指揮官の目が原因を見抜いていた。
 「監督やコーチが周りから見てくれるのはありがたい。アドバイスしていただいた方がいい」
 来日1年目の昨季を経て周囲の目も肥えている。より的確なアドバイスを絶妙なタイミングで受けられる環境ができた。
 「ストレート(直球)を狙って打席に入ったら、いい感じで狙い球がきて、しっかり打てました」
 四回の適時打は初球の136キロの直球。力みのない滑らかなスイングで打球を左前に運んだ。長打を意識したような強引さを全く感じさせない打撃だった。
 韓国での10年間、3割1分2厘の通算打率を残した実力の持ち主。それを発揮できる態勢がチームの中に整った。先制の4号本塁打を放った6番森野が好調だがチームの勝利に貢献している李炳圭の3番はしばらく続きそうだ。(高柳 隆)

【写真説明】四回、逆転打を放ち、一塁上でガッツポーズの李炳圭 

(2008年4月16日更新)


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