李2年目の進化に「友情秘話」
韓流テーマ曲から勝負パワー

 中日の李炳圭外野手(33)が16日の横浜戦(ナゴヤドーム)で先制適時打とダメ押しの満塁本塁打を放ち、今季打点をチームトップタイの29に伸ばした。真価が問われる来日2年目は打率こそ2割5分9厘だが得点圏打率3割1分7厘と勝負強い打撃でチームの勝利に貢献。日本での成功を誓い合った戦友の存在が李炳圭のバットに力を与えている。=記録は16日現在=
 打席に入るたびに勇気をもらっている。李炳圭がナゴヤドームで打席に入る時に今季からかけているテーマ曲がある。韓国で人気のポジションが歌う「くらっとしました」だ。同年齢の2人は韓国時代から親交があり、現在は共に日本で闘っている。
 ポジションは韓流ブームに乗って活動の拠点を日本の東京に移した。ディナーショーなどを行っているが日本での知名度はまだ低い。李炳圭が関東遠征した際は時間が合えば一緒に食事をし「お互いに日本で成功できたらいいな」と話し合っているという。
 五回二死二塁、テーマ曲の軽快なリズムに後押しされるように打席に入った。「真っすぐを待っていたが甘いチェンジアップに、うまく反応できました」。1、2打席目はチャンスで凡退していたが失敗を恐れないフルスイングで鋭いゴロを放ち、2遊間を破った。粘り強い投球で無失点に抑えられていた横浜先発の小林から、ようやく先制点をもぎ取った。
 八回二死満塁は相手3番手の三橋から今季7号を放った。来日2本目のグランドスラム。「森野がけがでいませんから自分の力で何とかしたいと思っていました」。左ふくらはぎを痛めて戦線離脱した森野の代役として5打点をたたき出し、3番の役割を果たした。
 今季の李炳圭は比較的ナゴヤドームでの成績がいい。打率2割7分6厘、3本塁打、19打点。中日ファンの声援に加えてポジションの歌声がエネルギーになっているからだろう。スポーツ、芸能と分野は違うが異国の舞台で共に闘うチング(友)の存在が活躍を支えている。(高柳 隆) 
ポジション ボーカルのイム・ジェウクとプロデューサーのアン・ジョンフンが結成したユニット。1996年に韓国でデビューし、99年からイム・ジェウクのソロとなった。浜田省吾、尾崎豊ら日本のアーティストの作品をリメークしてヒット。2005年から拠点を日本に移し、日本語を学ぶなど活動を徐々に本格化させている。韓国プロ野球LGのファンで同球団のスター選手だった李炳圭と親しくなった。
【写真説明】八回、満塁アーチを放った李炳圭

(2008年5月17日更新)


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