「源さん」で確変だ
清水昭が嫌な空気を変えた
■プロ初勝利、チームは護球宴後同一カード初の勝ち越し
中日の清水昭信投手(24)が31日の広島戦(ナゴヤドーム)でプロ初先発、初勝利を挙げた。2年目右腕が手にした貴重な1勝でチームは球宴後初めて同一カード勝ち越し。「源さん」のニックネームでチームメートから親しまれる「癒やしキャラ」の清水昭が、チームを覆っていた分厚い雲を吹き飛ばした?
■天然ボケで周囲は爆笑
森バッテリーチーフコーチは清水昭を「期待なんかしてないよ」と先発マウンドへ送り出した。だが威力のある直球と、自身が「低めに投げられた」と振り返ったスライダーで広島打線を抑えた。球を受けた田中が「(投球時の)テークバックが小さいし、直球が重いから打者が差し込まれていた。すごく落ち着いてましたね」と分析した快投だった。
チームメートから「癒しやキャラ」として愛される2年目右腕。顔がどことなくゲームキャラクターやアニメ、パチンコ機に登場する「大工の源さん」に似ていることから、入団1年目に「源さん」のニックネームが付いた。そしてユニークな言動でチームを和ませている。
先日の2軍練習でのこと。チームスタッフの1人が選手の出したダッシュ練習のタイム記録をオーバーした場合「(選手に)何かしてくれ」と要望。ある選手は「お金を出します」と懸けを持ち掛けたが、清水昭は真顔で「怖いDVDを一緒に見てあげます。冷たい飲み物も付けますよ」と返答。厳しい練習が続くグラウンドの雰囲気は一変、周囲は大爆笑。
清水昭は「ぼけようと思ったんですけど、思い浮かばなかったんです」と申し訳なさそうに答えたが、まさに「天然」?「あいつはそういうやつだから、みんなに好かれているのだろう」と2軍関係者は目を細める。
31日の快投劇で「前日(30日)は勝てる試合を落とした」(森コーチ)チームの嫌な空気を変えた。いい形で月が替わる。オレ竜が最後の意地を示するために「源さん」の存在がクローズアップされる。(山本 剛史)
【写真説明】初勝利を飾る清水昭=ナゴヤドーム、31日
(2008年9月1日更新)