竜が抱えるジレンマ
CS出場争いの複雑事情
クライマックスシリーズ(CS)進出を目指す中日が、あるジレンマを抱えている。23日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)に敗れ、3位広島と0・5ゲーム差の4位に落ちた。5位チームを相手に取りこぼしは痛い。だが広島と4ゲーム差のヤクルトは直接対決5試合を残しており、その前にCS争いから脱落してもらっては困る複雑な事情がある。=記録は23日現在=
広島との直接対決が残っていない竜はこの日、広島が巨人と引き分けたため、ヤクルトに勝てば自力3位が復活した。だが快勝した前日(22日)の同カードから一転、相手先発の館山攻略に手こずって敗戦。CS進出は依然「他力」のままとなった。
■ヤクルトにコイたたき期待
鍵を握るのはヤクルト。広島と27日から2連戦(広島)、30日から3連戦(神宮)。ある中日OBは「ヤクルトのCS進出が絶望的になってしまうと広島が有利になる」と警鐘を鳴らす。今季は9勝9敗1分けと互角だがモチベーションの差で広島が勝ち星を伸ばすことになりかねないからだ。
中日は今季、この日でヤクルトに対して8勝12敗2分け。2試合を残して2004年以来のカード負け越しが決まった。相性が悪い相手でも24日の同カードは負けられない。だが前出のOBは「広島も勝ってヤクルトと5ゲーム差になってしまうと微妙だね」と複雑な表情。チームは難しい状況に追い込まれている。
「きのうの野球なら全部勝つし、きょうなら負ける。それをどうやって拾っていくか」と試合後の落合監督。先発の清水昭は我慢強く投げていたが味方守備の乱れがあって失点。これでは厳しいゲームを拾っていくことはできない。この1敗が広島と戦うヤクルトの活力になってくれればいいのだが…。(隆)
【写真説明】森野の悪送球を拾う荒木=23日、ナゴヤドーム
(2008年9月24日更新)