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第三者に自分の表現を見てもらおう

2006年03月03日

 何かを習ったり、勉強したりというのは、確かに脳にはいい刺激です。しかし、それはあくまでも受け身なので、刺激としては弱いのです。



 脳をもっと活性化させるには、“表現する”ことです。しかし、表現といっても、芸術家でもなければそんなチャンスはなかなかあるものではありません。では、どうすればよいでしょうか。



訓示:自分の趣味は、人に見てもらうことで進歩する。





 それには、趣味の絵画、陶芸、楽器演奏など、自分の趣味を人に見てもらうことです。自己満足でやっているかぎり、進歩はありません。他人からの評価をどう受け入れるかも、脳の柔らかさにとっては重要だからです。



 だれにもみせない芸術は、芸術ではないわけで、他人に何かを感じさせることこそ、自分の表現といえるでしょう。プラスにしろマイナスにしろ、他人の反応がまた自分の脳を活性化させるわけです。



 もちろん、他人の評価のすべてがいいものとは限りません。いやな評価を受けるかもしれません。しかし、その厳しい評価に耐えている脳を持つことが、柔軟な脳を持つことにつながるのです。また、人の評価がいろいろあると知ることも、自分の脳の多様性を保つことにもなります。



 だから仲間内の発表会では、つまらないのです。公募展に出品することでもいいでしょうし、一般の人が見に来てくれるような個展でもいいのです。第三者の感想こそ、あなたの芸術性を高めることになりますし、脳も別な視点を知ることができ、次のステップに進むわけです。



訓示:仕事以外の趣味を徹底的にやることで、自分を客観的に見直すべし。



 ある程度仕事ができるようになって、会社での地位も上がってくれば、次第に本当のことを言ってくれる人が減ってきます。客観性のある評価を受けにくくなるのが、出世なのです。



 だから仕事ではなかなか、自分の今の能力がわからなくなってきてしまいます。仕事の肩書きのない世界を持っていることも、重要です(参考記事:“新しい人”に出会って、自分を見直そう)。自分の能力を常に新発見していくには、組織の中の評価ではないものに挑戦すべきなのです。



 楽器演奏でもいいでしょうし、絵画でもいいでしょう。そこでは、会社の肩書きなど関係のない実力の世界です。それを経験することで、自分のいる世界が、いかに実力だけで評価をしていなかったと気がつくかもしれません。



 脳は同じ環境に慣れていくことで、同じ発想しかしなくなります。というのも、それで仕事がある程度できてしまうからです。だからこそ、趣味の世界や芸術の世界での人間関係が非常に大切になるのです。そこには、仕事での人脈を持ち込まないことです。



 あくまでも芸術や趣味だけのつながりの人間関係を楽しみ、評価をしてもらいましょう。有名人の展覧会がつまらないのは、肩書きでその絵を見てしまうからです。芸術とは関係のない評価の仕方をついするので、意味が違ってきてしまいます。



 自分を客観的に見るひとつの方法として、仕事以外の趣味を徹底的にやってみましょう。そこに新しい自分の脳の可能性があります。





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