【モスクワ大木俊治】グルジアのサーカシビリ大統領は27日、グルゲニゼ首相(37)を解任し、後任にグリゴル・ムガロブリシビリ駐トルコ大使(35)を指名した。近く新内閣の陣容を公表し、国会の承認を得て正式に任命する。グルジアでは今夏のロシアとの戦闘で外国資本の逃避などから経済が打撃を受け、大統領の開戦責任を問う声が強まっている。首相交代にはこうした批判をかわそうとの狙いがありそうだ。
大統領は国会で首相交代の決定を発表し、新首相について「(大使として)トルコから多額の投資を誘致した」と述べ、経済実績を買った人事だと説明。国会は大統領与党「統一国民運動」が多数派で、新内閣の承認は確実視されている。
一方で、03年の民主化運動「バラ革命」で大統領の同志だった女性のブルジャナゼ前国会議長は27日、野党「民主運動・統一グルジア」の旗揚げを発表、大統領の開戦責任や強権体制を追及していく考えを明らかにした。欧米やロシアのメディアは、前議長をサーカシビリ氏に代わる次期大統領の有力候補と報じている。
毎日新聞 2008年10月28日 20時51分