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経済

総崩れ半導体 再編ムード 東芝、赤字に 想定外の価格下落

10月30日8時3分配信 フジサンケイ ビジネスアイ


 米国発金融危機の影響で世界経済が減速感を強める中、半導体業界が総崩れの様相を呈してきた。東芝が29日発表した2008年9月中間決算は、NAND型フラッシュメモリーなどの採算悪化が響き、連結最終損益が5年ぶりの赤字に転落。NECエレクトロニクスもトントンを見込んでいた09年3月期の最終損益が80億円の赤字に落ち込む。デジタル機器や自動車などの販売不振で需要が鈍化、想定以上の価格下落に見舞われているためだ。不況が長引くとの観測が高まるにつれ、業界では「生き残りに向けた再編、淘汰(とうた)が本格化する」(業界関係者)との見方が広がっている。

 ◆株価10分の1

 「どこまで株価が下がるんだ」「倒産するのか」

 NECと日立製作所のDRAM事業を統合して1999年に誕生した国内唯一のDRAMメーカー、エルピーダメモリにはこの2、3カ月、投資家からこんな問い合わせが相次いでいる。6月に4430円だった株価は29日現在、10分の1以下の400円と他社を上回るピッチで下落した。

 原因は、想定を上回るDRAM価格の下落による業績悪化。年末商戦を前にした需要も盛り上がらず、代表的なDRAMである1ギガ(ギガは10億)ビット品のスポット価格は1.05ドルと、採算分岐点とされる2ドル台を大きく下回る。作れば作るほど赤字が増える“負のスパイラル”に陥り、9月中旬から設立以来初の減産に踏み切った。強気の設備投資で存在感を示してきた同社だが、市況急変に伴って、8月に打ち出したばかりの中国合弁工場についても稼働時期の延期を含め見直しに着手する。

 東芝も厳しい状況は変わらない。09年3月期の半導体部門の予想は期初の900億円の営業黒字から、一転して650億円の赤字に転落する。この影響で全社の営業利益は期初より1400億円少ない1500億円になる見通し。フラッシュメモリーが「想定を上回る年率6割の価格下落」(村岡富美雄専務)に陥ることなどが主因だ。

 ◆吹き飛んだ公約

 特注品が多く市況変動の影響を受けにくいロジック製品にも業績悪化の波は押し寄せている。09年3月期に最終損益の黒字化を公約していたロジック大手のNECエレ。29日の9月中間決算の席上、中島俊雄社長は「(公約を)断念せざるを得ない」と述べ、肩を落とした。マイコンや個別半導体などが販売不振で、80億円の最終赤字を計上、公約を1年繰り延べる。富士通がこの3月に分社化したロジック半導体子会社、富士通マイクロエレクトロニクスも100億円超の最終赤字に陥り、苦難のスタートになった。

 日本の半導体業界は韓国、台湾勢の攻勢にあった1990年代後半と2000年代前半の2回にわたって大規模な再編を余儀なくされた。「今の状態が長引けば、業界再編の動きが活発化する可能性がある」と米格付け会社スタンダード&プアーズの中井勝之上席アナリストは指摘する。

 NECエレの中島社長は「下期は上期以上に厳しくなりそう。ライン閉鎖の前倒しなどコスト削減を一段と強化する」と悲壮感を漂わせる。第3次再編のムードが着実に高まり始めている。

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最終更新:10月30日9時55分

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