ソウル株式急反発、ウォンも急伸
「第2の通貨危機」という、実体を伴わない恐怖感で崩壊直前に追い込まれた韓国の金融市場が「IMF(国際通貨基金)の亡霊」から脱し始めた。韓国と米国が通貨スワップ協定を結び、通貨危機が発生する可能性が事実上消えたことから、30日のソウル株式市場は過去最大、ウォンの対ドル相場も11年ぶりの上げ幅を記録した。
有価証券市場(メーンボード)では韓国総合株価指数(KOSPI)が前日比115.75ポイント(11.95%)高の1084.72ポイントまで高騰した。上げ幅、上昇率は共に過去最高を更新し、一気に1000ポイントを回復した。株価は一時13%高の1094ポイントを付け、1100ポイント回復も視野に入れた。店頭市場のコスダック指数も30.46ポイント(11.47%)高と上昇率は過去最高を記録した。外国人は約215億ウォン(約14億5700万円)の買い越しだった。
ソウル外国為替市場も急反発した。ウォンの対ドル相場は前日比177ウォンのウォン高ドル安となる1ドル=1250ウォンで取引を終えた。10年10カ月ぶりの上げ幅だった。
金融市場が急速に安定を取り戻したのは、韓国と米国が300億ドル(約2兆9200億円)規模の通貨スワップ協定を結んだことがきっかけだった。フェニックス資産運用の金碩中(キム・ソクチュン)社長は「韓国経済を脅かしていた外貨資金不足、ウォン資金不足、実体経済に対する件という三つの悪材料のうち外貨の部分が解決された」と分析した。韓国の株式市場と為替市場は9月中旬のリーマン・ブラザーズ破産申請直後、他国に比べ安定して推移したが、最近は海外で国家デフォルト(債務不履行)説が伝えられたことで不振に陥った。10月15日から29日まで2週間の韓国の株価下落率(28%)は、日本(14%)、台湾(16%)、インド(16%)などアジアのほかの市場をはるかに上回った。
韓米通貨スワップという大きな好材料にもかかわらず、金融市場の専門家は不動産景気の悪化、内需低迷、輸出不振など実体経済の低迷に伴う金融機関や企業の破たん可能性がまだ残されており、市場が安定するまでには時間を要するとみている。これまでは「国家デフォルト説」という恐怖が市場を支配したが、今後は企業破たん、構造調整、実績悪化という苦痛で市場が揺らぐとの見方だ。
HMC投資証券のイ・ジョンウ常務は「今後も株式市場や外国為替市場が動揺を続ける可能性が高いため、毎日の株価や為替相場には一喜一憂しなければならなさそうだ」と述べた。
崔洽(チェ・フプ)記者
李仁烈(イ・インヨル)記者
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