追加対策で赤字国債を発行しない=中川財務・金融相
10月30日、中川財務・金融担当相(右)は、追加経済対策の財源について「赤字国債を発行しないのは大事なポイントだ」と強調。写真は10日、ワシントンにある米財務省で撮影(2008年 ロイター) [拡大]
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【東京 30日 ロイター】 中川昭一財務・金融担当相は30日の記者会見で、追加経済対策の財源について「赤字国債を発行しないのは大事なポイントだ」と強調し、財政投融資特別会計の準備金や建設国債の発行などで手当てする考えを示した。
特別会計の準備金の余剰分は「本来は、国債残高を減らすために使われるべきものだ」としたが「緊急的、一時的に手元のお金をやりくりする」と述べた。
追加経済対策の財源を手当てするための補正予算は「すべて今年度に対応する」とした。一方で、国会の提出時期は「首相も今国会でできるかどうか分からないと言っていた」として示さなかった。建設国債は、中小企業対策費などで発行するという。
麻生太郎首相が言及した3年後の消費税引き上げについては「首相は、日本経済は全治3年としている。3年以内に景気回復させなければいけない、元気な日本、元気な生活者にしなければいけないという固い決意だ」と説明した。
一方で、消費税の具体的な引き上げ幅については「年末の税制改正でとりまとめる中期プログラムの作業の中で決められていく」と述べた。ただ「中期プログラムを党が議論していくことは理解しているが、年末までに数字が決まるのかどうか、うかつなことは言えない」とした。
<追加的な市場安定化策、打つ考えはある>
追加経済対策では、現行2兆円の金融機能強化法の公的資金枠の拡大を検討するとしている。中川財務・金融相は「2兆円プラスで、どのくらいか。ある程度の目安はあるが、慎重にやっていく」と述べた。ただ「あまり大きく積むと、不安感をあおる可能性もあるので、党とも相談しながら決めなければならない」とした。
一方、銀行等保有株式取得機構の活用については「年内にはやりたい」とした。自民党の金融危機対応チームの柳沢伯夫座長が主体的に検討している、としたものの「できるだけ早くやりたい」と述べた。
麻生首相が27日に指示した市場安定化策に続き、追加策な金融危機対策を打つ考えについては「あります」と述べた上で「やれるものについてはどんどんやっていく」とした。銀行の自己資本比率規制の弾力化は、国内基準行の自己資本比率から有価証券の含み損を控除しない対応について「12月決算に間に合うようにやっていく」とした。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)
2008/10/30 21:29