|
|
||||||||||
検索ソリューションがもたらすビジネス価値は計り知れないものがある。しかし,その潜在的可能性に気付いていない企業担当者も多いのではないだろうか。ファストサーチ・アンド・トランスファのイノベーション型検索エンジン「FAST ESPTM(Enterprise Search Platform)」は単なる検索ツールではなく,今後のビジネス成長を促進させる重要なITプラットフォームである。通常の検索エンジンとは異なり,分散する断片的な情報をデータ・リソースの制約なく横断的に検索。ユーザー・ニーズに応じて整理・分類し,付加価値の高い情報として再編集した形で提供することができる。加えて,企業ポリシーに合ったセキュアなアクセスも実現。従来の検索ツールを超え,"人・モノ・金"の流れを創出し,マーケットの潜在的なポテンシャルを伸長させることが可能だ。
情報のデジタル化,アプリケーションの多様化,コンテンツのリッチ化などを背景に,ネット上を行き交うデータやコンテンツは爆発的な勢いで増え続けている。検索エンジンを使って,あるキーワードで検索したところ,該当する情報が数万件を超すことも珍しくない。しかも,そうした情報は断片的なものがほとんど。目当ての情報を入手し,ビジネスに活用するには,それらを整理・分類しながら再編集する必要があるだろう。それに伴う手間や時間的ロスは決して小さいものではない。 「検索精度の低さや,検索に必要以上の時間を費やすことが,業務効率の低下を招いているのは,既に皆さんが実感されている通りです。その結果が「ゼロヒット」ではなおさらです。イントラネット,インターネットにかかわらず,エンド・ユーザー向けに提供している検索サービスの場合,こうした状況はユーザーにストレスを与え,大きな機会喪失(ビジネス・ロス)に直結しています」とファストサーチ・アンド・トランスファ マーケティング ディレクターの高場 麻理氏は指摘する。このような検索の課題を解決する有効なソリューションが,同社のイノベーション型検索エンジン「FAST ESP(Enterprise Search Platform)」である。詳細は後述するとして,まずはFAST ESPによってイノベーション型検索を実現した導入事例を紹介しよう。 家電量販大手の株式会社ヨドバシカメラでは1997年10月よりECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」を開設し,eビジネスの推進に力を入れている。同サイトでは当初,フリーの検索システムを導入し,運用していた。だが,ブロードバンドの進展に伴う利用件数の急増,扱う商品点数も急速に拡大したため,機能的に限られたフリーの検索システムでは十分なサービスを提供することが難しくなった。そこで同社では,検索精度の向上とユーザービリティの改善を目指し,2004年5月にFAST ESPを導入した。 「従来の検索システムでは,サイトの利用者数や提供商品数の変化により,検索に時間がかかるようになっていました。そのうえ,キーワードと商品名がピンポイントで一致しないと検索結果を表示できないため,膨大な商品点数を扱っているにもかかわらず,場合によっては『ゼロヒット』になることもありました。また,更新した価格情報などが検索結果に反映されるまでにタイムラグがあり,最新の情報を知りたいというユーザーの期待に,十分に応えられなくなっていたのです」と,ヨドバシカメラ 取締役兼グッドコミュニケーション本部長の吉澤 勉氏は当時を振り返る。 しかし,キーワードの該当情報をリアルタイムに網羅し全件表示するFAST ESPは,そうした課題を解消した。製品型番のような専門度の高い検索精度向上にもかなり注力しており,メーカー営業・SEなどからデータベースとしても使われているという。この2年間で,「“お客様への提案型検索結果”の提示も実現し」(吉澤氏),キーワードに関連する周辺商品の提案なども可能だ。これにより,検索結果の「ゼロヒット」を防止する。 さらにドリルダウン機能で詳細情報に確実にたどり着けるようになったほか,価格の安い順や発売日順など検索結果の並べ替えにも対応し,レコメンド性も大幅に向上。ユーザーが知りたい情報を,すばやく的確に提示できるようになった。 「お客様が探している情報を迅速かつ的確にご提供するという課題は,FAST ESP導入当初から一貫して同じです。それに加えて,当然,ヨドバシとして推奨したい製品のプロモーションなどもサーチを通じて,反映させています」(吉澤氏)。 現在,ヨドバシ・ドット・コムで扱う商品は約9万品目(2004年当時,3万5千品目),アクセス数は多いときで一日500万ページビューに達するが,快適なパフォーマンスで"ユーザーの期待を裏切らない"検索サービスを提供。ECの戦略的サービスとして検索を"再生"することに成功している。 図1:より顧客利便性の高いショッピングサイト確立に成功し売上が向上 ヨドバシ・ドット・コムのサイトはこちら 一方,世界的メディアであるロイターの事例も注目に値するものだ。同社では金融,メディア,各種市場の専門家向け情報を多言語でグローバルに提供している。その多くが著作権保護対象となる資料的価値の高い情報である。そこで同社では検索パフォーマンスの向上に加え,グローバルなコンテンツ・パトロールを実行するためにFAST ESPを導入。最新の情報をいち早く提供するアラート機能を備えたリアルタイム配信に加え,提供する情報の不正流用などをチェックする仕組みを確立した(図2)。「許可なく引用・転載されている情報を即座に見つけ出し,警告を発することができるようになりました。知的財産を保護するリスクヘッジとして効果を上げるだけでなく,売上げ向上にもつながりました」と高場氏は述べる。 図2:知的財産パトロール:情報が無断で利用されていないか日々パトロールする ロイターのサイトはこちら このようにFAST ESPは,従来の検索エンジンのように断片的な情報を収集するだけでなく,"使える"情報として再構築したり,ビジネスに有効なツールとして活用できるのが特長だ。「つまり,単なる情報検索のツールではなく,従来の検索エンジンを超えた新たな"人・モノ・金"の流れを創出する革新的なプラットフォームと言えるでしょう」と高場氏はそのメリットを強調する。 こうした検索ソリューションが持つ潜在的な価値に気付いていない企業担当者も多いのではないだろうか。図3は検索の革新度とマーケットの潜在的可能性を示したものである。従来の検索エンジンはサイト検索やEテイリング,ビジネス・インテリジェンスなどの実現にとどまるが,FASTが提唱する検索のイノベーションを促進することで,マーケットの潜在的可能性を拡大する"新検索"エコノミーを形成することができるのだ。 図3:マーケットの隠れたポテンシャルを引き出す“新検索”エコノミー "新検索"エコノミーは大別すると3つのカテゴリーに分類できる。1つ目はプレミアムコンテンツ配信やeコマースへの活用による「利益創出(Profit)」,2つ目はナレッジ・マネジメント,インフォメーション・マネジメントなどによる「情報活性化(Perform)」。これらの2つの要素を実現した事例が,先に紹介した楽天のケースである。そして3つ目は,コンプライアンスやコンテンツ統制などによる「リスク管理(Protect)」。これを具現化した事例がロイターのケースである。「新次元の検索プラットフォームであるFAST ESPを導入すれば,複合的な課題にも柔軟に対応し,新検索エコノミーを形成する利益創出,情報活性化,リスク管理という3大潜在市場にアプローチできます。これによって,企業が抱える多様な課題を解消し,従来は思い描けなかった機会創出やリスクヘッジにもつながります」(高場氏)。 ITプラットフォームとして「検索」を見た場合,2つの重要なポイントがある。1つは,エンド・ユーザーが満足する「検索結果」が提示できること,2つ目は基盤技術として,性能と大容量を担保した高信頼性システムを提供できることだ。 FAST ESPにおいて1点目の中核を成すのが,エンティティ(要素)抽出技術である。これは独自の技術により,検索キーワードを基に抽出した情報をユーザーが望む形に作り替えたり,ユーザーが見やすい形でインデックスを作成するもの。FAST ESPには人名,地名,会社名,ドメインなど10種類のエンティティがデフォルトで組み込まれているが,企業ニーズやビジネス・ロジックに応じて新たなエンティティを追加することもできる。 さらに「コンテクスチュアル インサイト(文脈解析)」を加えて,スコープ(検索対象範囲)を文書全体ではなく文章に絞り込み,よりキーワードに関連性が強いエンティティを取り出し,「検索結果」を提示することが可能だ。これにより,サイトからユーザーを離れさせる一番の原因である検索結果の「ゼロヒット」を限りなく回避する。 また,データソースの制約を受けないため,データベースや業務システムとの連携も可能,システム内に分散する断片的な情報を横断的に検索する。「例えば,ECサイトであれば,検索対象商品を価格の安い順,在庫の多い順に表示したり,同時に購入する確率の高い商品などを提示することができます。『センチメンタル分析』を利用すれば,その商品に対するコメント内容がポジティブかネガティブかの判断も行うので,いわゆる『お客様の声』をブログや各種記事から引用することも可能です。これは,社内にある製品売上データに対しても同様のことができるため,他社製品との競争力比較,マーケティング戦略の策定にも活用いただけるでしょう」(高場氏)。 もう1つの重要ポイント「高信頼性システム」は,FAST ESPが備える拡張性が担保する。現在,最大40ペタ・バイトのシステム構成に対応可能であり,100億ドキュメントの処理,2000QPS(1秒間に発生する問合せ処理数),毎秒500データの更新を実現,膨張し続けるデータに確実に対応する。 FAST ESPはデータベースや業務システムの上位レベルでの情報収集と統合するため,既存のシステムにほとんど手を加えることなく,導入が可能である。企業情報の取り扱いに必須であるセキュリティ管理に対しても,FAST ESPが提供するセキュリティ・コンポーネントによりアクセス制御を実現している。社内の役割に応じたアクセス権限を設定し,増え続ける情報はリアルタイムにインデックス化され,追加/削除されたファイルもアクセス・レベルを含めて即時にインデックスに反映するため,セキュアな環境が維持される。 高場氏は「FAST ESPを活用すれば,分散した断片的な情報を体系的なコンテンツとして活用でき,ITプラットフォームを容易かつ安全にレベルアップすることができるのです」と力を込める。 FAST ESPはモバイル向けの機能も実装しており,ユビキタス社会を見据えた全方位的な対応も可能だ。国内の大手情報提供サイトではすでに携帯電話向けサイトにFAST ESPを導入し,付加価値の高いサービスを提供している。 情報が多様化かつ肥大化する中,膨大なデータから精度の高い情報を,エンド・ユーザーの望む形でわかりやすく提示できることがますます重要になっている。企業資産ともいえる情報の有効かつ安全な活用は,経営者層にとっては必須課題である。 FAST ESPは単なる検索エンジンではない。今後のビジネス成長を促進させる重要なITプラットフォームであるFAST ESPは,"勝ち組"企業とそのナレッジ・ワーカーにとって,不可欠のソリューションと言えよう。
会社名:ファストサーチ・アンド・トランスファ株式会社 所在地:〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-4-2 大同生命霞が関4F TEL:03-5511-4343 FAX:03-5511-4331 E-MAIL:Japansales@fastsearch.com URL:http://jp.fastsearch.com/ |
|