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建設会社側に賠償命令、奈良の耐震偽装ホテル…地裁判決

 耐震強度偽装問題で、構造計算書の偽装が原因で休業に追い込まれたとして、「サンホテル奈良」(奈良市)のオーナー会社(同)が、開業指導をしたコンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」(東京都)などに約4億7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、奈良地裁であった。坂倉充信裁判長は、ホテルを建設した「木村建設」(熊本県八代市、破産)の施工上の欠陥を認め、連帯保証人の日動工務店(熊本市)に約4億7600万円の支払いを命じた。

 総研と、建築確認担当の「イーホームズ」(東京都)については請求を退けた。総研の代理人によると、耐震偽装で総研を相手取った損賠訴訟では、初の判決。イーホームズの代理人は「民間指定確認検査機関の責任の範囲を限定したのは初めてではないか」としている。

 ホテルは2005年11月、元1級建築士・姉歯秀次受刑者による構造計算書の偽装が発覚して休業。オーナー会社は、建設費用など約7億円を求めて06年3月に提訴、補強工事で07年7月に営業を再開したため、賠償額を補強工事費用などに絞って減額した。

 判決では「耐震強度不足は構造上、主要な部分の欠陥にあたる」と契約上の不履行を認定。「木村建設に不履行があった場合は、日動工務店が連帯保証する規定もある」とする原告側の主張もほぼ全面的に認めた。

 一方、総研については「鉄筋量を抑えるなど指示したことが直ちに違法と認められない」と判断。イーホームズについても「審査期間が短期間で、姉歯受刑者が作成した構造計算書の偽装を見抜けなかったとしても、過失とは言えない」とした。

 イーホームズの藤田東吾社長(47)は代理人を通じ、「当社の確認審査に過失のないことが証明された」とコメント。

 サンホテル奈良の滝沢義一郎総支配人(51)は「2年近く休業に追い込まれたのに、総研の不当性が認められなかったのは残念」としている。

2008年10月30日  読売新聞)

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