2006年にあったマジシャン逮捕のニュース報道の際、マジックの種明かしをして価値を下げたとして、マジシャン98人が日本テレビとテレビ朝日に計約420万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(佐久間邦夫裁判長)は30日、「事件を分かりやすく説明するための報道で、違法ではない」として請求を棄却した。
警視庁は06年、手品用に穴を開けた硬貨を輸入しようとしたマジシャンを貨幣損傷等取締法違反容疑で逮捕。同事件の報道の際、日本テレビとテレビ朝日はコインの使用方法を実演を交えて解説したため、マジシャン側が「種明かしで財産権を侵害された」と訴えていた。
判決後に記者会見したプロマジシャンの藤山新太郎さんは「報道後、硬貨を使った手品ができなくなっている。泣き寝入りはできない」と述べ、控訴する考えを示した。(30日 23:30)