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人権学習会:元ハンセン病患者・高瀬さん招き壮絶な体験聴き入る--若狭東高 /福井

 ◇「日本人でなかった」隔離政策の時代、家族の返事に絶望の日々…

 高浜町出身の元ハンセン病患者で、療養所の長島愛生園(岡山県瀬戸内市)で暮らす高瀬重二郎さん(85)が22日、小浜市金屋の若狭東高で人権学習会を開いた。1年生約170人が高瀬さんの話に耳を傾けた。

 同校は元ハンセン病患者との交流を続けており、05年には「高瀬さんの帰郷のきっかけになるように」と、校庭に「人権桜」と呼ばれているシダレザクラを記念植樹した。高瀬さんが同校で過去に行った講演を聴いた生徒が昨年度までに全員卒業したため、学校側が今回の学習会を企画した。

 高瀬さんは、隔離政策を受けていた時代、逃走防止のため園内でしか通用しない貨幣を持たされたり、公民権をはく奪されたことなどを説明し、「日本人ではなかった」と当時のつらさを表現した。

 また、病状が回復して社会復帰を目指した際に、家族から「死亡したことにして籍も抜いてほしい」と、思ってもいない返事を受けて絶望したことなども打ち明けた。生徒たちは静かに高瀬さんの話す壮絶な体験に聴き入っていた。

 講演終了後、生徒代表の今川寛章さんが「ありがとうございました。今も差別は消えていないというお話が心に残りました」とお礼の言葉を述べ、花束を受け取った高瀬さんを拍手で見送った。【高橋隆輔】

毎日新聞 2008年10月23日 地方版

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