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【記者ブログ】コメント欄がいっぱいなので、ここでまとめてお返事 福島香織 (5/5ページ)
■最後に、麻生首相、麻生内閣について。
■私個人は官邸記者クラブにきたばかりで、目下修行中の身。日本の政治や政治家について論評できる見識はまだ、もっていない。漠然と民主主義は社会主義より好ましい、と思っているくらいだ。でだから麻生首相についても漠然としたイメージしかもっていない。
■先日、議員会館の事務所で「太郎さんの秘密」という本を読んで、へぇ〜、面白い人だと、ごく平凡な感想をもっている。誰かが言っていたが、3メートル以上はなれて麻生首相をみるとバカにみえるが、半径1メートル以内に入り込めば心酔する、そういう人物らしい。半径1メートル以内に入るのは難しいですか?と、周辺の人に聞いたら、難しくはないが、そのエネルギーについていくのが大変、だそうだ。しかし、そういうエネルギッシュな部分はリーダーの必須条件だし、病弱なリーダーは確かに困る。中国の指導者はどんなに歳をとっても髪を真っ黒にそめる。自分を元気に見せる、これは国家指導者の第一条件だ。
■麻生首相の演説は面白いと思う。易しい言葉で自分の考えを伝えようという意気込みが伝わる。時間の許すかぎりぶらさがり取材に応じてくれる姿勢も、記者として歓迎すべき点だ。
■ファッション、見た目はいいほうだと思う。着こなしなどはスタイリッシュで、外交の場では、こういうスタイリッシュさは絶対有利だろう。英語もお上手らしい。そんな外見、関係あるのか、と怒られそうだが、関係ある。そういうもの、パブリックイメージというのは、外交においてものすごく影響力があるのだ。つまり、中国国民がテレビで映った日本首脳をみて「アソウさんかっこいい!」と思えば、外交は半分成功したようなもの。どちらかというと強面の麻生首相は海外ではタカ派ととられていたようだが、先日のASEM外交ではそういうイメージは払拭されたようだ。海外でも若者の間では「ローゼン閣下」の名前で知られており人気がある。外相経験もあるし、英語も得意であれば、外交ではポイントがあげられそうな条件、ムードを持っていると思う。
■というわけで、どちらかというと好ましく感じているからこそ、失言などは心配している。べらんめぇ調は個性だが、記者あしらいは、ファッションと同じくスタイリッシュに決めてほしい、と思うのは、お忙しい首相閣下に過分な願いだろうか。だが、いうだけならタダだから、いってしまうと、皮肉や嫌味もいいがプラス、ウィットは人に大物の印象を与えると、思う。これは愛しの胡錦濤国家主席閣下にも伝えたい。会見場に大紀元記者が紛れこんでいても、ウィットで切り返せるようであれば、欧米社会の中国への評価は変わると思うよ。朱鎔基首相なら、うまくやっていたかな?
■しかし、2回も続けて政権を放棄した自民党に依然、執政党として一番期待せざるを得ない日本の政治 って、なんかな〜、と思っているのも事実である。アメリカは共和党が政策ミスをおかせば次は民主党、という風に、いずれの党も政権担当能力があるのに、どうして日本は、そううまくいかないのだろう。
■民主党寄りの友人は「民主党の人材も磨かれる場が必要なのだ」と主張する。つまり与党となって、野党からいちゃもんつけられ、記者からナイーブな質問を浴びせられ、自身にどういう能力が必要か思い知る場にたたされて磨かれなければ、民主党はダメになる、と。そうなれば日本の民主主義の損失、いや崩壊ではないか、だからもう一度くらい、民主党に政権を任せたい、と。
■解散・総選挙がいつになるかは、まだ分からないが、意義のある国民の審判が下されることを願う。
<2008/10/30 21:28>
▼「福島香織」の記者ブログ<北京・官邸趣聞博客(ぺきん・かんていこねたぶろぐ)> http://fukushimak.iza.ne.jp/blog/