慶応義塾大学の学生2人が学内で大麻を売買したなどとして大麻取締法違反(譲渡など)の疑いで逮捕された事件で、起訴後に保釈された1年生の中村友士郎容疑者(20)が神奈川県警の調べに対し、「以前にも慶応大学の学生数人と大麻を吸ったことがある」と供述したため、県警が複数の学生を任意で事情聴取していたことが、県警幹部への取材でわかった。
県警幹部によると、逮捕された内田浩太郎容疑者(21)と中村容疑者は、慶応義塾高校で先輩と後輩の関係で、高校時代から知り合いだったという。中村容疑者は今年6月下旬〜7月に複数回、横浜市港北区のカラオケ店内や自宅などで大麻を吸引したことを認めている。そのうち少なくとも1回は、内田容疑者のほか、数人の慶大生と一緒に吸ったと話しているという。
県警の説明では、内田容疑者は7月、横浜市港北区の日吉キャンパス内の食堂近くで、中村容疑者に乾燥大麻数グラムを7千円で譲り渡した疑いがある。
県警は今月、内田容疑者と中村容疑者の自宅を家宅捜索した際、乾燥大麻や吸引具などを押収。県警は今後、大麻の入手経路について慎重に調べを進める方針。
大学関係者などによると、内田容疑者は今年夏まで同大の体育会アメリカンフットボール部に所属していた。
30日朝、同大の日吉キャンパスにある同部の部室にやって来た4年生部員(22)は事件について、「何も言えません」と硬い表情だった。1年生部員(19)は「初めて事件を知って驚いた」と話した。
経済学部2年の男子学生(20)は「関東学院大ラグビー部のニュースを見て、たばこを吸う感覚なのかなあと思っていた。ここでそんなことがあったなんて衝撃です」と話した。